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17-2 ◇
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◇
顔にかかる髪を指ですくい除け、
眠ってしまった少年の顔を眺める。
あどけなさの残る顔はどこか悲しそうに色付いて
柔らかい肌に赤く残る痕をそっと隠した。
前開きのシャツのボタンを指で弄る。
脱がせやすい服だ。
どんな気持ちで着るんだろう。
「…自分の熱にも気づけないのかい。」
静かに眠る吐息は一定で、なのに額は随分熱い。
子供体温とは言い難いその熱に小さく嘆息し、
着ていたジャケットを掛けた。
ーーーー
身体を傾げパソコンを触り、随分経った頃。
まぶたが揺れ、ゆっくり目を開いた子供が見つめる。
寝ぼけた顔というのはなかなか愛らしいなと観察しながら上着をのけていると、
状況を理解したのかハッと身体を起こした。
「おはよう。少しはゆっくり眠れたかい。」
「…っ…ぁ、おれ、ごめんなさい…!」
「構わないよ。仕事も片付いたし。」
年相応におたおたする様子に笑いながら
パソコンを鞄にしまい、軽く伸びをする。
その間少年はじっと考え込んでいて
視線を寄越すと、意を決したように声を発した。
「…………な…っ何か、しますか…?」
声を震わせ眉を下げながら見つめる瞳は揺れ、
その表情に浮かぶのは怯えと緊張。
" なにか "が指すのは、行為のことだろう。
「…………」
責任感からだろうか。…理解できない。
ソファの上で正座する少年の頬にそっと手を添え
反対側の首元に唇を擦り寄せる。
それだけの事でビクッと身を強張らせる辺り、
やはり乗り気にも感じられず手を離した。
離れた体温に、ぎゅっと閉じていた目を開け
戸惑った様子でその子が見上げる。
「…随分聞き分けの良い事を言うんだね。」
「……へ?」
「………なんでもないよ。」
意地悪を誤魔化すように頭を撫で顔を逸らす。
「あー…少し不眠症気味でね。
眠るとき、ただ傍に居てくれる事が望みかな。」
出来の悪い嘘だ、と内心呆れながら
少しは安心しただろうかと反応を窺う。
流石に、病人を襲う気はない。
少年は目を泳がせると俯き、
しばらく何かを思案し、やがてこちらを向いた
「………えっち、しない…?」
そう尋ねる少年は大真面目で、少し咳き込んだ。
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