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じいちゃんは優しいです!?
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「うおおおぉぉぉぉぉぉぉぉお!!!!!デケェェェェェェェェ???」
やっぱり、じいちゃんは金持ちだった。
あのあと、あの執事さんにここまで
連れてこられた?
送ってもらった?
んだけど…。
どうやらこの目の前にある
すごい家がじいちゃん家らしい…。
「あの…執事さん。ここホントに俺のじいちゃん家なんですか?」
本当だと分かっていても疑ってしまうほどにはでかいこの家。
「はい、ここが真人様のおじい様に当たる、鈴木 尚史(すずき なおふみ)様のお家でございます。」
あ、じいちゃん尚史って名前なんだ。
「あー、やっぱりそうなんですか…。」
「おっと、ひとつ言い忘れていたことがございました。」
「なんですか?」
「私の名前は、柊木 伊知郎(ひいらぎ いちろう)でございます。“執事さん”でも良いのですが、
せっかくですから、柊木でも伊知郎でも良いので、名前で呼んで頂けますかな?」
「あ、すいません。…じゃあ、伊知郎さんで。」
俺がそう言うと、伊知郎さんは満足したように優しい笑顔になった。
「ありがとうございます…っと、尚史様が来られたようですよ。」
じいちゃん…。
どんな人なんだろう。
そんな思いを胸に、俺は伊知郎さんが手で示した方へ体を向けた。
「真人…か?」
俺が向いた方には、厳しそうだけど…どこか優しそうな雰囲気の人が
驚いた様な顔をして立っていた。
「うん。…じいちゃん?」
「そうだ、私がお前の祖父だ。…私が見たときは、こんな小さな赤ん坊だったのに、
大きくなったな、真人。」
「じいちゃん…。」
じいちゃんは、優しそうな面持ちで両手を広げた。
その格好に、母さんの面影が重なって、さっきまで全然泣いてなかったのに
俺の目からは、涙腺がおかしくなったんじゃないかと思うほど大粒の涙が零れ落ち始めて、
たまらず、じいちゃんの腕の中に飛び込んだ。
「じいちゃ…母さ、母さん!母さん!!」
俺は子供みたいに泣いた。「うわーん」って聞こえるんじゃないかってくらい泣いた。
外だとか人の前だとか、考えることもなく泣いた。
泣いている間、じいちゃんはずっと俺を優しい顔で抱きしめていてくれた。
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