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俺は一人じゃなくなりました!?
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泣きすぎた…し、恥ずかしい。
そう、泣きすぎてもう涙が出なくなった俺は
今、大変な恥ずかしさに襲われている。
いや、何が恥ずかしいかって
そりゃあもういろいろ…っていうか俺のしたこと全てが恥ずかしい。
…高校生にもなるのに、じいちゃんの胸でワンワン泣くって…
そんでもって、じいちゃんに向かって「母さん!母さん!!」って……
どんだけマザコンなんだよこいつってなっちゃうだろ‼︎
あぁ、もうダメ。
思い出したくない。
ハズすぎる。
「はぁ…」
俺のため息で、俺がもう泣いていないことが分かったのか、
じいちゃんは俺に、優しい声で問いかけてきた。
「泣き疲れたか?…そろそろ家の中に入るか。」
そうだったぁ!!
ここはまだ外だったー(T_T)
俺、超恥ずかしいじゃん‼︎‼︎
「うっうん!そうだね、中に入ってもいい?」
俺の家ではないand会ったばかりでまだちょっと他人行儀だから
一応、疑問形。
「わざわざ聞かなくても良い。今日からここはお前の家になるのだから。」
へっ!?
俺の…いえ?
いやいやいやいや、俺には家があるし…って、
そうだった…もうないんだった。
「………いいの?…俺、じいちゃんと一緒に…………暮らしても良い?」
「良いに決まっているだろ?お前は…真人は明美が残した、たった一人の私の大切な孫だからな。」
「じいちゃん…」
さっき枯れ果てたはずの涙が、また俺の頬を伝った。
「ありがとう、じいちゃん。」
俺は、またじいちゃんに抱きついた。
「真人は泣き虫だな。」
「……そんなことない…と思う。」
俺は少し考える。
泣き虫ってほど泣いたことは…今日を除けばないハズ。
え?ないよな?
あ、でも一年前
…と、ここで俺の思考はさえぎられた。
この、
「あなたばっかりずるいわ!真人ちゃんと仲良くなって!」
大きい、母さんを20歳老けさせた様な声に。
「私にもハグさせてくださいな。」
んぎゅぅ~~~~~
いきなりじいちゃんから引っぺがされた。
んでもっておばあちゃんっていうには少し若いような、
おばさんっていうには少し老けている様な人に抱きしめられた。
・
・
・
・
・
「……………苦じぃ…」
「おい櫻子!放してやりなさい!苦しがっている!」
「えっ!?」
やっと放される。
あ、なんか今日いろいろありすぎて……疲れた。
どさっ
「いやぁあぁ‼︎‼︎どうしましょう、あなた!真人ちゃんが!真人ちゃんが倒れちゃったわ??」
「落ち着け櫻子。寝ているだけだ。」
「あら、本当。」
「今日は一度に多くのことがあって疲れたんだろう。」
「そうよね。本当に……いろんなことが起き過ぎだわ…」
「明美のことは、明日ゆっくり話そう。」
「ゆっくりおやすみなさい、真人」
俺はその日、母さんが笑っている夢を見た。
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