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檜先輩…!?
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「どうしたのですか、そこの君。深いため息などついて」
!!!!
だれか話しかけてきた!
きっと、俺がずっとこのへんでうろちょろしてたから心配して話しかけてくれたんだ!
ここは笑顔で振り向くべきだよね‼‼
「ご心配、ありがとうございまふっ!」
…………………舌噛んだ…最悪。
っていうか、かっこわる俺。
でも、まだうつむいたままで良かった…たぶん俺今顔真っ赤だもん…。
相手、どう思ったかな…
「………」
あぁっ、沈黙……
相手はきっと、俺のことなんだこいつって思ってるだろうな…
「………くくっ」
「っ!‼?」
予想外の笑い声に驚いて顔をあげた。
うわ、すごいイケメンだ。
それに頭良さそう…。
顔をあげて分かったこと…めっちゃイケメンってことと、なぜか笑ってるってこと。
「な、なんで笑ってるんですか!?」
「くく…いやすいません、貴方がとても慌てていたもので」
「そ、そんなに慌ててましたかっ?」
「はい、とても」
うぅ……恥ずかし…。
「それで?貴方は何故、深いため息をついていたのですか?」
……話してみるべきかな、私立獅富高校の入口がわからないって。
よし、話してみよう。
「えっと、俺、今度私立獅富高校に入学することになってて、それで、見学させてもらおうとここまで来たんですけど、入口の場所がわかんなくて…迷ってました」
口に出して言うともっと情けない…。
「そうだったんですか、では私が案内しましょう」
「え!いいんですか!?」
「私もちょうど行くところだったので、構いませんよ」
「ありがとうございます!」
この人めっちゃ良い人だ!
イケメンで頭良さそうで良い人って…凡人な俺とは大違い…。
「では行きましょう、鈴木真人さん」
ん?
「どうして名前知ってるんですか!?」
言ってないのに!
「くくっ…声をかけたときから知ってましたよ」
「なんでですか!?」
「私が貴方の案内役だからです。名前は理事長から聞いていました」
『案内やその他もろもろは他の誰かに頼んでおくから』
あのとき言ってた!
てっきり用務員のおじさんとかかと思ってた…
そっか、この人が案内してくれるんだ。
「そうだったんですか」
「はい」
あ、そうだ!
「名前、聞いても良いですか?」
一日案内してもらうんだから、名前わからないと不便だよな。
なんて呼べばいいかわかんないし。
「妻槐 檜です」
すごい名字だ…なんかカッコイイ…。
「じゃあ、檜先輩ですね!」
あ、名字のほうがよかったかな、なれなれしいかも。
「はい、いいですよ。…私はなんと呼んだらいいですか?」
「え、じゃ、直人で!」
「…呼び捨てでいいんですか?」
「はい!俺の方が年下だし、友達からも直人って呼ばれてるんで!」
先生以外に鈴木って呼ばれることにあんま慣れてないし。
「じゃあそうします、直人」
「はいっ!」
「では、行きましょうか」
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