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1章 何でも屋
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「あぁ、もう無理やってらんない。」
そう呟き俺はイスに背をもたれた。
電気もない 暗いこのアパートに1人…俺はいた。
アパートは二階建て、部屋は全部で六つある。訳あってここの住人全員と大家はこのアパートを手放し どこかへ去っていった。
ので、俺は遠慮なく使わせてもらってるのだが…
なんで俺がこんなところにいるかって?
それはな、『何でも屋』を開くには最高の場所だったからだ。
何でも屋とは、金さえくれれば依頼されたことなら何でもする いわゆる商売。
俺は務めていたバイトをクビになり …何でも屋になったのだが…依頼はそんなに大層なことなかった。
「毎回 毎回…猫探しとゴミ拾いって…雑用過ぎんだろ…」
はぁ、と溜息をつく。
俺の名前は 凛桜 空。
18歳 のまだまだ若いそこらへんの青年である。
…いやまぁ、そんなそこらへんの青年がバイトクビになり何でも屋なんてやる訳ねぇけどさぁ。
家の事情により1人暮らしの俺は家の家賃も払えず追い払われ途方に暮れているとき このアパートに来た。
ここは誰もいないし 汚いし 人気のない場所にあるから怒られない。
「クソ…、もっとなんかこう…ドキドキはらはらするような依頼はないのかよ…。例えば誘拐された少女を助けるとか…消えたダイヤ探すとかぁ… 」
漫画の読み過ぎか…
とにかく…早く金を集めないと…また…。
コンコン…
突然の玄関からのノック。
依頼か?
「はい!入ってください!」
がちゃっと…古いドアを押し開けると
俺より少し年上くらいの青年が入ってきた。
…わお、イケメン。
背が高くて…顔も整ってて…服のセンスもいい。…って、そこじゃないか。
「こんばんは。ご用は何ですか?」
俺はニコッと微笑む。
「あー…えっと。…依頼がある。付き合ってくれ!」
「はいはい、お付き合いですね。ではこれからデートへ………って…………はぁ?」
どうやら、ドキドキはらはら以上の依頼が来たようだ。
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