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両思いの春
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拓斗は後ろ向きで椅子に座り、付き合い始めた恋人の顔をニコニコして見ていた。
蒼太は日誌を書くのに下向きでいたが、恋人の熱視線に耐えきれなくなり顔を上げた。
「…なんだよ」
「何でも無い~」
蒼太はペンを持っていない左手で、ウキウキしながら言う拓斗の癖っ毛を撫でた。
「たぁく」
触りたくて頭を撫でると、イケメンは更に花を大量に背負った様に眩しい笑顔を向けた。
その顔に近くを通った同級生が、その顔に悲鳴を上げる。
「ちょっ!お前、どうした?!」
「クラスの女子がおかしくなるから、止めれ!」
「えー?」
拓斗本人は気が付いていない。
「蒼ちゃんしか、興味ないし」
サラッと言う拓斗に、同級生達は溜め息をついた。
「蒼太も、いい迷惑だな」
「いや、むしろ蒼太が手綱を握っててもらえば良いのか」
「蒼太しか、適任はいないな」
そう言う同級生達に、蒼太は言った。
「俺が手綱を、ずっと握ってれば良いのか?」
「頼むよ~」
そんな同級生達に蒼太は、ニコッと微笑んだ。
「良いよ!ずっと、握っててやるから!」
『マジで!』『助かった~』と言う沢山の声が聞こえる。
だが、同級生達は面白がっているだけで真剣な事だとは思っていない。
みんな安堵している中で、拓斗は顔を赤くしながら小声で蒼太に話した。
「…ずっと?」
すると蒼太は、顔を近づけて拓斗の耳元で囁く。
「もちろん!…ずーっと、な?」
そう言うと、誰にも気づかれずに拓斗の頬にチュッとキスをした。
その行動に、大きな音を出しながら拓斗は椅子から立ち上がった。
同級生達が驚いているのはわかっていたが、行動を止めることは出来ない。
拓斗は離さない様にしっかりと、蒼太を強く抱きしめたのだった。
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