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淫魔くん、初めてのごはん③
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少しだけ強張った玉木の体の上で、ルイはきゅっと両手に力をいれた。
「玉木さん、ごめんなさい…。す、好きな人のことでも考えてください…っ!」
「は、何言って―――んっ?!」
ルイは、勢いをつけて自分の唇を玉木のそれに押し付けた。
歯がぶつかりそうな勢いに、玉木は少しだけ頭を後ろに引いた。
ルイは、ちゅ、と短い音を立てながら角度を変え何度も唇を合わせる。
淫魔だというのに、性の知識が乏しいルイは、このキスの先が分からなかった。
玉木は特に暴れることなくそれを受け入れていたものの、その拙いフレンチキスにこいつは本当に淫魔なのか、と呆れかえっていた。
好みの女の子とを考えていろと言っても、今時女の方がまだうまいキスをするだろうに。
「ん…っ、ん…」
ルイは唇を離すと、少しだけ息を上げながら玉木を見下ろす。
仕掛けたルイの方が息が上がっていることから、経験の差は顕著だ。
「…こ、興奮していきました…?」
暴れるのをやめ、おとなしくなった玉木にそう問いかけると、玉木はハッと嘲笑する。
「んなお子ちゃまなキスで誰が興奮するかよ。ただ唇合わせただけじゃねえか」
「…お子ちゃま…」
馬鹿にされているのが分かって、ルイはかっと顔を赤くする。
自分は一応淫魔であるが、そういった知識はまるでないし経験もない。お子ちゃまと言われても仕方ないが、面と向かって言われると悔しさやら恥ずかしさやらでじわりと涙が滲む。
ぐすぐす鼻をすすり始めたルイに、玉木は小さく溜息をこぼした。
「ぼ、ぼく…っ、どうすればいいか分かんない…ッ!うぅ、ほかの、ちゅうの仕方、玉木さんっ、知ってるの…?」
涙声でいうルイに、玉木は少し面を食らった。
見た感じ、17,18くらいの歳――淫魔に人間の年齢が当てはまるのかは知らないが――なのに加えて自称淫魔なのに、ディープキスというものも知らないのか。
こんなんでよく自分を襲おうとしたな、といくつもの疑問が浮かぶ。
確かに、小学生低学年くらいの子と話しているような気分だが。
「…知ってるけど。逆になんで知らねえんだよ」
「…!どっ、どうするの?ぼく、分かんないから教えてほしいよ…」
めんどくせえ、と玉木は心の中で思う。
しかし、断ったところで解放されるとは思わない。
このままこいつのされるがままになるよりかは、此方が主導権を握って好き勝手するほうがまだいいように思う。
玉木は一瞬のうちに思考を巡らせ、半ばヤケクソでこの初心な淫魔の体を自分好みに開拓してやろうと思った。
こう出会ったのも何かの縁…とまで寛大には思えないが、最近の忙しさで全く精を発散できていなかったのもまた事実なので、この機会を存分に利用してやろうと考えたのだ。
そうと決まれば、玉木は自分が出せる最上級の優しい声で未だに半べそをかいているルイに声をかける。
「なあ、教えてやるからせめて目隠しだけでも取ってくんね?」
「えっ、ほんとっ?!あ、で、でも…目隠し外したら、その、萎えちゃわない…?」
「あ?あー、まあ、大丈夫だろ。ほら、早く」
「…うっ、うんっ」
ルイは玉木の言葉に素直に従い、アイマスクにそっと手を触れる。
すると、玉木の目元を覆っていたものはたちまちどこかへスーッと消えていった。
こういうのを見ると、やはりこいつは人ならざるものなんだろうな、と信じざるを得ない。
玉木は、突如明るくなった視界に慣れようと何度か瞬きを繰り返す。
視界がはっきりとなったところで、濡れた、控えめにこちらを見つめる瞳と視線が交わる。
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