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淫魔くん、ご奉仕、する?⑥
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ゆっくりだが確実に腰を下ろしていき、三分の二ほどはルイの体に埋まった。
根元まで挿いってはいないが、ルイにしては頑張ったので玉木は大目に見てやることにした。
「お前の好きに動いていいよ」
ふうふう、と浅い呼吸を繰り返すルイにそう声をかけると、ルイは無理だと小さく首を振った。
「…や、もう、むりだよぉ…っ、ぼく、うごけない…!」
ルイが挿入だけでいっぱいっぱいになっているのは、見てわかった。
どうせぎこちなくしか動けないんだろうなということも予想できる。
けれど、だからといって目の前の男は素直に頷くほど優しくなかった。
「じゃあもうやめるか」
「…え…」
「だって俺は疲れてるし、ルイは動けないんだろ?やめるしかねえじゃん」
そういうことではない、玉木に動いてほしいのだとルイの表情が切に訴えてくる。
快楽に弱いルイの体が、中途半端に昂らせた熱を解消しないままやめることなどできないのを分かったうえでの発言だった。
そんな意地の悪い大人の手の上で弄ばれているのにも気づかず、ルイはきゅっと唇を噛みしめ言われたとおりに頑張るしかないのである。
自分が何を言っても動いてくれないのだと完全に理解したルイは、拙い動きで腰を動かし始めた。ぎしぎしと、ベッドがきしむ音がし始める。
「…ん、ふぅ…ッ、あん…っ」
快楽にのまれすぎないようにするためか、ルイは自分の弱いところを避けるように腰をくねらせる。
そのため、浅い出し入れしかしないので玉木には刺激が物足りない。
けれど、まるでぬるま湯のような快感に浸かっているルイの姿も悪くはなかった。
ふと、ルイが濡れた瞳で控えめに見つめてくる。
向かい合わせになっているから顔と顔の距離はかなり近い。ルイの琥珀色の瞳はキラキラとしている。
「玉木さん、っ、ちゅうは、してくれる…?」
「…ん」
大方、何を言ってくるかは予想がついていた。
そんなの、いちいち許可なんて取らずに勝手にしてしまえばいいものの、玉木の言葉を気にして聞いてくる姿に、つくづく淫魔には向いてないなと思う。
(仮にも男にかわいい、だなんてよく分かんねえ感覚だ)
玉木はやりようのない、どう受け止めていいか手に余る感情を隠すようにルイの唇にくらいつく。
啄むように唇を重ね、ルイが少し口を開いたらすかさず舌をいれる。
どうやらこの淫魔は、キスがお気に入りらしい。
「ん…む、はっ…」
口の中を好き勝手に暴れてからふと思う。
(…さっきこいつ俺の精液飲んだんだよな)
うえ、と思わず眉をしかめたがルイの唾液…というより体液すべてがなぜかどうしようもなく甘く感じる。これも淫魔仕様なのだろうか。
珍しくよく動く小さな舌を捕えながら、ツツ、と上顎を舐める。
ルイは、どうやら上顎が性感帯らしい。全身が敏感すぎてもはや全身が性感帯なんじゃないかと思うところもあるのだが。
ルイの体はビクビクと跳ね、だんだんと弛緩していく。
舌の動きに合わせ、きゅうきゅうと締めつけてくる穴だが、下半身の力が抜けてきていることによって先ほどよりも奥まで入っている。
玉木は、ルイの舌先を吸い上げながらするすると腰に手を回す。
ルイの腰は無意識に小さく動いていた。
キスに夢中なのをいいことに、玉木はルイの細い腰を軽く掴むと、自らに打ち付けるように思い切り下におろした。
ぱちゅん、と皮膚に当たる音と水のような濡れた音が響き渡った。
「――っ、は…ッ」
一瞬のできごとに、ルイは声がでなかった。
あれだけ自分では挿れられなかった玉木のすべてが、根元までずっぷりとルイのお腹に埋まっている。わずか、一瞬のうちに、だ。
ルイは目の前がちかちかして、がくがくと足が震えた。
「~~ぅう、ッ、はっ、なん、ア、あァ…ッ」
「わりぃ、間違って入っちまった」
一ミリも悪びれない様子の玉木に、ルイは構っている余裕もない。
強い快楽の波が一気に押し寄せてきたのだ。
「挿れただけでイったのか。…やらし」
玉木の腹にはルイの出した欲がかかっている。
ルイはまだぴくぴくと震えている。前触れもなくくる快感は、暴力に等しいような気がした。
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