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淫魔くん、乳首開発①
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――男って乳首でイケんのか?
ある深夜のこと。なんとなく眠れなかった玉木は、ふとそんなことを思いついた。
別に性欲を持て余しているわけではないが、何となくゲイ向けのAVを見ていると――全く興奮することはなかったが――、乳首を責められて大げさなまでに泣き叫んでいる男優の姿が目に入った。
演技なのかもしれないが、というより八割がたはそうだと思うが、乳首をこねくり回されているだけで気持ちよさそうに体をビクつかせ、ついには射精までしていた。
その姿は、にわかにも信じられない。
男でも乳首が感じるやつはいるし、彼女に責められるのが好きだと言っていた知り合いも過去にはいた。
でも玉木自身、今まで抱いてきた女に乳首を触られても感じたことなど一度もない。
(…女でも乳首だけでってそうそうねえよな…)
ほんの好奇心だった。
隣の、すやすやと気持ちよさそうに眠っている淫魔に目を向ける。
ルイの体はどこもかしこも敏感で、もちろんそれは乳首も例外ではなく。
あまり執拗に弄ったことはないが、普段から良い反応は見せているので試してみる価値はありそうだった。
玉木はいかにも悪そうな顔でにやりと口角をあげると、口笛すら吹きそうな勢いで通販サイトを眺め始めた。
――もちろん、健全とは言い難いサイトである。
楽しそうな玉木の横で、ルイは確実に夢の中でありながらも無意識のうちにぶるっと身震いをし、布団の奥深くまで潜り込んだ。
そんな夜からしばらく経ったある日。
玉木にしては珍しく、いつもより三時間ほど早く家に帰ってきた。
思ってもみない家主の早い帰宅に、ルイは何だか嬉しくなりニコニコと玄関まで迎えに行く。
「玉木さん!おかえりなさい!今日、早いねえ」
「ん、ただいま。最近残業続きだったから早めに帰らせてもらえたんだよ」
「そうなんだ!やったね!ご飯とお風呂、どっちも準備できてるよ」
まるで新婚夫婦のようなやり取りをしながら、ルイはリビングへと向かう玉木のあとを嬉しそうに付いていく。
魔界で淫魔としての役目を果たしてこなかったルイは、もっぱら家にいたため家事はある程度何でもできる。
そのため、昼間仕事に行っている玉木に代わり掃除や洗濯などは基本的にルイが請け負っていた。
リビングに行くと、食欲をそそるいい匂いがする。
テーブルにはサラダにスープ、それとメインの生姜焼きがラップをされた状態で用意されていた。
「…先に飯食おうかな」
食欲には勝てずにそう呟くと、ルイは返事をしていそいそと温め始めた。
そのあいだに、着替えてこようと寝室へと向かう。
寝室へ向かうと、ベッドの脇に見慣れない小さな段ボールがあった。
こんなものあったか、と拾い上げると、微かに覚えのある会社名が。
(…あー、これ。届いたのか)
玉木は段ボールをあけ中身を出し、どんなもんか商品説明を一通り見ると、ベッド脇にある引き出しへと閉まった。
そしてそのまま着替え、ルイの待っているリビングへと向かったのだった。
「荷物、受け取りありがとな」
「あ!そうだった!受け取るの、初めてだったからよく分からなくて緊張しちゃった」
ほとんど温め終わったのか、エプロンを外しているルイに声をかけるとそういえば、とへらりと笑った。
魔界にもいわゆる宅配便というものがあり、荷物の受け取り方はそう大差はないのだが玉木以外の人間はまだ緊張するらしい。
玉木は宅配業者相手にどもるルイの姿が容易に想像できた。
玉木はそうか、と呟いてルイの頭を撫でると、テーブルに向かい手を合わせた。
最初、料理は僕が、と言われたときはどんなゲテモノが出てくるかと思ったが余計な心配だった。
意外にも手際よく、ルイはいろんな料理が作れた。
「ん、美味い」
玉木がつぶやくと、ルイは嬉しそうな照れくさそうな顔をする。
その何とも言えない微妙な顔を見て、玉木はふっと笑った。
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