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「…どうしたの?」
あんな風に話したのは昨日なのに、どうしてこんなに優しく声をかけてくれるんだろう。
やっぱり、好きだと思った。
「昨日はごめんなさい」
「……」
先輩は何も答えない。
怖くて、顔が見れない…。
「あの、俺…無神経でした。でも、ずっと気になってたんです…」
視線を先輩に向けられない。
先輩が動く気配がして、俯いていた視界に先輩の足下が入った。
「気になってたって?」
「っ…」
パッと顔を上げると、先輩はあの、悲しそうな表情をしていた。
俺の目に涙が溜まっていく。
また、俺は間違えた…?
「ごめっ…なさ…っ」
「謝らないで」
ふわりと、髪を撫でられた。
「ごめんね、泣かないでよ」
指先で溢れた涙を拭われる。
「藍野先輩は、っ何も、悪くないですっ…俺がっ…」
「でも、酷い言い方したから…」
必死に首を振る。
先輩に謝らせるなんて、俺は何をしているんだろう…。
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