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クリスマスといえばやっぱりケーキ。
「美味しそう…」
先輩が予約していたケーキは定番の苺のケーキだった。
「ふっ、菱沼くんよだれ出てる」
「えっ!?」
口元を覆う。
「嘘」
「っ、先輩!」
「ふははっ、菱沼くんはほんと素直だな〜」
なんて笑いながらケーキを切っていく。
「はい、どうぞ」
「ありがとうございます」
ケーキを受け取り、一口食べる。
うん、美味しい。
甘すぎず、いくらでも食べられそう。
「菱沼くん、クリーム付いてるよ」
「えっ……いや、待ってください。嘘ですか?」
「嘘じゃないよ、取ってあげる」
そう言った先輩が立ち上がり、体をこちらへ乗り出してきて、
ペロリと、俺の口の横を舐めた。
「っ…!?」
「うん、取れた」
にこやかに笑う先輩。
待って、藍野先輩ってこんなことする人なの!?
「先輩っ〜」
「ごめんね、あんまりに可愛いからつい」
謝られちゃうと、それ以上何も言えなくて、残りのケーキを平らげた。
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