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それから教室に戻ると、紅輝に声を掛けられた。
「灰凌、菫玲先輩何の用だった?」
「え、あー…」
どうしよう、なんて…
「灰凌?」
「えっと…ちょっと直澄先輩のことで」
「…そっか。顔色悪いけど、大丈夫?」
「うん、大丈夫だよ」
大丈夫だと言ったけど、紅輝の表情は俺の言葉に納得していない様子。
察しの良い紅輝を、きっと誤魔化せてない。
この時ちゃんと言っておけば良かったと後悔しても後の祭りだ。
夜になって直澄先輩が俺の部屋を訪ねて来た。
「ちょっと出てこれる?」
「は、はい…」
正直、会いたくなかった。
ボロが出そうだから。
直澄先輩が向かったのはテラス。
この寒さの中、流石に外にあるテラスに出てる人は誰もいない。
「寒いかな?」
「平気です…」
「単刀直入に聞くけど、飛世と何かあった?」
こんな直接的に聞かれると思ってなかった。
それだけ心配してくれてるんだろう。
でも、話すことは出来ない。
「何も…」
「灰凌…俺は素直な灰凌のことが好きだよ」
「っ…素直じゃない俺のこと、嫌いになりますか…?」
「ならないよ」
まっすぐに見つめられ、俺は思わず目を逸らしてしまう。
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