アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
105
-
「何のことか分からない?」
俺の表情を見て察したのか、菫玲先輩は顔を歪めた。
シャツを掴んだまま、菫玲先輩は俺を壁に押しつけた。
「っ…!」
背中を壁に打ち付けた。
「この間、テラスでキスしてたでしょ?」
「っ…!」
見られてたんだ…
「毎日会ってて…一緒にいるところ見せつけなくても、今は直くんは菱沼くんのものじゃん!」
「俺…そんなつもりじゃ…」
もう一度、ドンッと背中を壁に打ち付けられる。
「いっ…」
背格好はそんなに変わらない。
力だけならきっと俺が勝てる。
でも、菫玲先輩を突き飛ばすことなんて俺には出来ない。
「菫玲先輩、」
「菫玲って呼ばないで…」
声が震えていて、涙を堪えてるのが分かった。
「ねぇ、、」
ぐっと手に力を入れられると、首元が締まった。
「ぅ…」
「考えてたんだけどね、2人が一緒に居るところを見ると胸が苦しくて、泣きたくなって…2人がキスしてるところ見て、菱沼くんが憎いって思った」
「っ…」
「菱沼くんは、僕にとってかわいい後輩だったけど、今は僕から直くんを奪った相手でしかない。こんなの、自分勝手だって分かってる…分かってるけど、そう思わなきゃ…僕は…」
首元を押さえる手が少しずつ緩んでいき、やがて手は離れた。
「俺の気持ちは、す…先輩にとって、どうでもいいんですか…?」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
105 / 148