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「話せないこと?」
紅輝は心配そうに俺を見つめる。
「紅輝…」
「話せないなら仕方ないよ。心配だけど、無理やり聞くのはね」
優しい紅輝に俺の中の何かが崩れた気がした。
「誰にも言わないで欲しいんだけど…」
「うん」
「…直澄先輩と菫玲先輩、一年前まで付き合ってて…」
「はぁ!?」
そりゃ驚くよね、うん。
「待って、いきなり爆弾発言なんだけど!!」
「勝手に話しちゃうの気が引けて、誰にも話してなかったから」
「まぁそうかもしれないけど俺には話してくれても良かったでしょ」
「…付き合ってただけなら話してたかもしれないけど、そうじゃないんだよ」
紅輝は首を傾げた。
「どういうこと?」
「菫玲先輩は交通事故で、直澄先輩のことを忘れちゃったんだって」
「え…」
「付き合ってるってことを忘れたって」
紅輝は複雑な表情を浮かべている。
「それで?藍野先輩は忘れられてて、どうしたの?」
「…最初は、一緒に居たみたいなんだけど、自分と付き合ってるってことは言ってないみたい」
紅輝は今度は難しそうな顔をした。
「何で?」
「何でって……」
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