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次の日、俺は学校に行くのを渋った。
だって、きっと会ってしまう。
今は、直澄先輩にも菫玲先輩にも会いたくない。
「明日から春休みだよ?」
「ちょうどいいじゃん…今日会わなければ、暫く会わないで済む」
「家、帰るつもり?」
俺は頷く。
「それでいいの?ちゃんと話さないといけないんじゃない?昨日は一旦落ち着くために協力したけど、俺はきちんと話をするべきだと思うよ」
「でも…」
「灰凌に整理が必要なら、それを伝えるべきだよ」
紅輝の言う通りかもしれない。
「灰凌は、藍野先輩と別れたいの?」
「分からない…」
「うん、そこで分からないって言うなら、気持ちの整理は必要だと思う。どうするのか、どうしたいのかもう一回考えた方がいいね」
「……うん」
俺が頷いて俯くと紅輝に、ぽんと頭を撫でられた。
「もし、ちゃんと話せそうにないなら俺も一緒に行くから」
「ありがとう」
「ほら、じゃあほら早く支度して行こ」
紅輝に促され、俺は学校に行くことにした。
学校に向かう途中で、直澄先輩にも菫玲先輩にも会うことはなかった。
終業式も終わり、帰ろうとした時に教室の扉が開いた。
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