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「桐哉にも、記憶が戻ったこと話したよ。藍野くんとのことも。それでも、僕のことが好きだって、まっすぐ言ってくれて」
少し照れ臭そうに菫玲先輩は笑った。
「桐哉が居てくれるから、吹っ切れそうだよ」
つまり、古瀬先輩と別れないのかな?
「たくさん傷つけて本当にごめんね」
「いえ…俺も、菫玲先輩のこと傷つけたので…」
「僕よりも菱沼くんが」
ふるふると首を振る。
「思い出した時、俺の存在に傷つきましたよね?」
そう。
思い出した時には、菫玲先輩自身には古瀬先輩という相手が居て、直澄先輩にもまた、俺という存在が居た。
思い出した時、傷ついたに決まってる。
「仕方のないことだよ」
「でも…」
「この話はおしまい!っていうかあんまり長居してると風邪うつしちゃうから…。また風邪が治ったらゆっくりおしゃべりしよ」
「…はい」
「ふふっ、ありがとう菱沼くん」
と話したところで、古瀬先輩が戻って来た。
「あれ、菱沼?どうした?」
「いえ…あの、菫玲先輩のことよろしくお願いします!」
「何目線だよ」
突然の俺の言葉に不思議そうにするも、笑いながら古瀬先輩は俺の頭をポンと撫でた。
そして俺は部屋を後にした。
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