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目を覚ますと、ベッドに居た。
寮ではないし、誰かの家でもない。
「あ、灰凌?よ、良かった…待って!今先生呼ぶからっ」
ベッドの脇に居たのは
「…こ、き…?」
「そうだよ!覚えてる?灰凌、事故に遭ったんだよ」
「事故…」
そしてあの瞬間の記憶が蘇る。
青信号で渡り出した瞬間、車が俺たちに向かってきた。
そうだ。
「紅輝、直澄先輩は?」
直澄先輩の名前を出すと、紅輝は一瞬泣きそうな顔になった。
「別の病室にいるよ。もう目を覚ましてる」
「そっか…良かった…」
安心したら違和感に気づいた。
違和感の先、右腕を見ると肩から肘にかけて包帯がグルグルに巻かれている。
俺の視線に気づいた紅輝が包帯に触れた。
「右肩の骨折だって」
「…全然動かない」
「だろうね」
そんな話をしていると、さっき紅輝がナースコールで呼んでくれた医師が病室に入って来た。
簡単な質問に答えて、右肩の骨折以外には問題がないようで、医師は去って行った。
「紅輝、直澄先輩の病室どこ?」
「…さすがに目覚ましたばっかりなんだから、また明日以降でもいいんじゃない?」
「どうして?俺はすぐに会いたいんだけど」
「でも…」
さっきからどうして…
「直澄先輩、怪我酷いの?俺のこと庇ったから…?」
「…怪我は、左腕と左足の骨折だけど、」
紅輝はそれ以上何も言わない。
「よく分かんないけど、会いに行くから病室教えて」
「……2つ隣の病室だよ」
「ありがとう」
「…俺も行く」
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