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『どうして思い出したのか?』
「はい」
菫玲先輩が思い出したと、俺に伝えられたのは1月の終わり頃だった。
何かきっかけがあったのか。
『えっとね、僕の部屋…っていうか元は藍野くんの部屋でもあったでしょ?部屋の中で藍野くんとお揃いで買ったアンクレットが見つかって』
「アンクレット?」
『そう』
その見つかったというアンクレットは藍色と紫のグラデーションのものだったらしい。
そして、自分が好む色とは違ったらしくどうしてだろうと見つめていたところで、直澄先輩と一緒に買った時のことを思い出した。
『どうして直くんと買ったんだろう?ってその時瞬時に思って、呼び方が違うことに気づいて、思い出したの。それから徐々に色々思い出していった感じかな』
「そうなんですね」
『あの時は僕も思い出したばかりで、酷い言い方してごめんね?』
「いえ!それはもういいんです!教えてくれてありがとうございました!」
『ううん。また何かあったら気軽に連絡してね』
「はい、ありがとうございます」
電話を切った。
「2人のお揃いのもの…」
お揃いのものを、俺は持っていなかった。
俺が持っているものは、クリスマスにもらったブレスレットくらいだ。
くれたものを、覚えてるかなんて分からない。
「あ、俺がプレゼントしたピアス…」
俺は、クリスマスに深い紺色のピアスを直澄先輩に送った。
入院中、それどころではなくピアスをしていたかまで気にしていなかった。
明日会いに行った時に確認しよう。
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