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「直澄先輩…?」
今、俺のこと呼び捨てにした?
「ごめん、たくさん辛い思いさせて」
「そんなこと…」
至近距離で目が合う。
「灰凌」
っ、やっぱり…!
「お、思い出したんですか…?」
目に涙が溜まっていく。
「うん、灰凌の熱いキスで」
「あ、熱くないです…っ」
そんな揶揄うようなことを言う直澄先輩に、嬉しさと恥ずかしさが混ざる。
っていうか、深くしてきたのは直澄先輩の方だし。
「ふっ…灰凌」
「はい…?」
「好きだよ」
「〜っ…俺もですっ…大好きです」
抱きつくと、直澄先輩は優しく抱きしめ返してくれた。
「さっきの別れましょうはナシにしていい?」
「もちろんですっ…本当は絶対に別れたくなかったんですから…っ」
「ありがとう、俺のために」
あ、もうダメだ…
溜まっていた涙がこぼれた。
「ふっ、灰凌は本当に泣き虫だね」
「直澄先輩のせいです」
「そうだね」
涙を指で拭われ、目元にキスされた。
目が合って、笑い合った。
そんな風に笑い合える日が、こんなに早く来るなんて思ってなかった。
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