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side-藍野直澄-
そろそろ限界だった。
部屋に古瀬が飛世を迎えにくるのも、飛世が古瀬を部屋に入れるのも。
目の前で見ることが辛かった。
だから、俺は飛世には言わずに古瀬に相談しようと思ったんだけど、たまたま飛世と話してて、後からやって来た古瀬にチラリと見られた。
飛世がその場から去り、古瀬と二人になる。
ちょうどいい。
「そんな風に見張らなくても、今更取ったりしないよ」
「俺はそんなつもりじゃ…」
「ところで提案なんだけど」
「何…?」
「俺と寮部屋交換しない?」
「え?」
俺の突然の提案に、古瀬は目を丸くした。
「櫂征先輩には了承済み。古瀬がいいなら良いって。古瀬って一人部屋でしょ?」
「そうだけど…」
「どう?」
きっと、古瀬は了承すると思う。
「……分かった。ごめん」
ほらね。
っていうか、
「何に対しての謝罪?やめてくれない?」
「…ごめん。ずっと謝りたくて」
今更だし、そもそも古瀬は何も悪くない。
強いて言うなら思い出させる努力をしなかった俺が悪い。
「謝らないでよ。俺は、これでいいと思ってるから」
「…ありがとう」
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