アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
怒らないで
-
「な、なぁ、花。」
「ん?」
「何で俺が竜也の家にいる事知ってたの?」
「あー…、テレパシー?」
何で疑問をぶつけたのに疑問で返されるのか。
尚更頭の上にはてなマークが付く。
「テレパシー…?な訳無いだろ。」
「…。」
気まづそうに目を背ける花に聞いてはいけないことを聞いた気がする。
「…その内、話すよ。」
「お、おう…。」
「これからはちゃんと警戒してね。男子校なんだからああいう人も少なくないんだから。」
「うん。」
「誰にでもベタベタ付いてっちゃいけないよ。」
「うん。花だけにする。」
「…うん。」
少し間を開けた花に顔を傾けたが、花のいつも通りの優しい表情に安堵する。
花は俺の頭をポンポンと撫で、ニコッと笑う。
「小さいからって子供扱いしないで。」
「子供扱いしてないよ。」
「じゃあ何で撫でるんだよ。」
「人に頭撫でられると落ち着くじゃん。」
「そうか?」と言うと「そういう物だよ。」と花は笑った。
「じゃあ俺も花の頭撫でる。」
「お、俺はいいよ。」
「頭撫でられると落ち着くんでしょ?俺、花にあんまそういうのした事無かったし。」
「うーん、じゃあお言葉に甘えて…。」
花が頭を下げると俺は手のひらを花の頭の上に置いた。
「よしよし。」
「俺がしたいだけだから虎くんまでしなくてもいいんだよ?」
「俺も撫でたくなったからしてる。」
「…そっか。」
心地良さげに目を細める花に俺もついはにかむ。
「花ももっと俺に怒ったり、我儘言ったりしてもいいから。」
「できないよー。」
「何でだよ。」
「昔っからの癖だもん。」
「尚更ダメでしょそれ。」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
6 / 76