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温泉と花
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花はぴったりと俺に体をくっつけて寛ぎ、緊張し始める。
「はぁ…。」
花が少し動く度に体がビクつき、自然とそこから逃げ出す様に離れる。
「…何で離れるの?」
「あ!いや!その…。」
花は悲しげに俺を見つめる。
「やっぱ…嫌だった?遠出。」
「違うよ!そうじゃなくて…、嫌とかじゃ…なくて…。」
花の視線が突き刺さり目を合わせる事さえできない。
理由を述べるのがとても恥ずかしくて俯く。
小さい声で途切れ途切れになりながら話す。
「…その、ちょっと、緊張して…。」
「何で?」
「俺ら……裸……だし…。花だから余計に……。」
言ったぞ!言ったぞ俺!
花の反応が気になり、顔を上げる。
「…。」
花は少し顔を赤らめて俺の腰に触れる。
「そんな…そんな意識してくれてるとは思わなかったよ。」
「こ、ここ、恋人…だから…当たり前…だろ…。」
手を握ってそう言うと、花は優しく頬を触った。
「顔真っ赤。」
「花だって…ちょっと赤いよ。」
花の指が俺の唇をなぞり、顔を近づける。
キスをされると思い、目を閉じた。
「しないよ。」
「…え?」
目を開けてみると花はイタズラに微笑んで唇が触れ合いそうな距離で寸止めする。
「虎くんからキスして。」
「え!?そ、そんなっ…。」
しどろもどろに混乱する俺をからかうよう言う。
「してくれないと先にあがっちゃうよ。」
「うっ…。」
したい気持ちは山々だが、勇気が出ない。
でも早くしないと花が先にここから出ていってしまう。
心の中で葛藤し、意を決して花を見る。
「目…閉じてて…。」
「うん。」
ニコニコしながら目を閉じる花の顔をじっと見る。
切れ長の目に少し濡れたまつ毛。
キリッとした凛々しい顔には泣きぼくろ。
花って、こんなかっこよかったっけ。
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