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激おこプンプン丸
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1分1秒少しづつ進む時計の針がとても長く感じる。
あと1分で10分になる。
「どどどどうしよう…!」
「もう来るから。」
『バンッ』
強く開かれたドアの先には髪がぐしゃぐしゃで傷だらけの花と首根っこを掴まれ怒声を上げる晶子ちゃんがいた。
「ぎり9分。新記録だな。」
「死ね!!殺す!!」
「剣くん、晶子ちゃんが俺と同等で殺り合えるくらい強いって聞いてないんだけど。」
「さすがの大谷でも結構ボロついてんな。」
「あとこんな気性荒い子だって事も聞いてない。何とかして!」
「わりーわりー。こうなったら止めらんなくて。」
猫の威嚇の様にシャー!と怒る晶子ちゃんを剣が抱き上げる。
「いて!引っ掻くなよ!」
「離して剣!!まだ話は終わってない!!」
「充分拳で語ったろ!俺らの役目はもう終わり!あとは2人でごゆっくり!!」
「剣いぃい!!離せえええ!!」
勢いよく扉が閉められて、さっきの騒動は嘘かの様に静まり返った。
「虎くん。」
「…。」
今話しかけられても何を言えばいいのか分からない。
押し黙った俺の前に花はしゃがみこんだ。
「ごめんね。」
「…それは……何に対して謝ってんの…。」
花を攻めたくないけど、どうしても気が強くなってしまう。
「あの子と一緒にいた事も…、虎くんをすぐ追いかけなかった事も…。ごめんなさい。」
「…。」
「俺だって同じ事されたら嫌なのに、ちゃんと正しい行動できなかった。」
「…。」
「悲しませてごめん。」
ただ謝る花の言葉を黙って聞く。
あの子は誰?将来の彼女って何?俺の事は暇つぶしだった?
本人に言えたらいいのに、どうしてもそれが言えない。
そもそも花は何で俺が悲しんでたのかちゃんと分かって謝ってくれた。
ただ今は、色々感情が混雑して何から言えばいいのか分からない。
「お願い。嫌わないで。」
『パンッ!』
そっと俺の手に触れようとする花の手を引っ叩く。
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