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怒ってないよ
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「ほら、もうそんな顔しないで。」
「うん!虎くん好き!愛してる!」
「はいはい…。」
さっきの態度はどこへ行ったのか。
花は好き好きと言って俺に抱きつく。
「…んで、さっきの人は結局誰…?」
「あぁ、あの女?」
「あの女…。」
「付きまとわれてるんだ。5回くらい俺に告ったらしいけど、そんなの覚えてないから誰か分からなくて。」
「俺が言うのもなんだけど…覚えてやりなよ…。」
「結構しつこいから行く所行く所付いてくるんだよ。今日は特に部外者は出入り自由だから…。」
モテる男は大変だな、と純粋に思う。
理由をちゃんと聞けば俺が怒るような事は無い。
罪悪感が込み上げて口から吐き出しそう。
うわ、俺何で怒ってたんだろう…。
「すぐに虎くん探しに行こうと思ったんだけど中々離れてくれなくて…。晶子ちゃんが途中で俺を殴り込みに来てくれたおかげで何とか巻いて、虎くんの居場所も分かった。」
「あ、うん。もういいよく分かった。何か俺の方がごめん…。」
「何で虎くんが謝るの?」
「ちゃんと理由聞いとけば怒ることも無かったなぁって…。」
勝手に突っ走った自分が恥ずかしい。
「でも怒ってくれたり、悲しんでくれるのは、俺の事が好きだからでしょ?」
「ま、まぁ…。」
「俺はちょっと嬉しいかな。嫉妬してくれて。」
「そう…。」
優しく微笑む花に照れ臭くなり、顔を隠す様に頬杖をつく。
事を荒らげたのは良くなかったな。
晶子ちゃんと剣にも謝っておかないと。
「虎くん。」
「何?」
「好きって、言ってみて。」
「な、ななな何でそんな急に!?」
顔を真っ赤にさせて固まる。
「何か、仲直りしたけど…、少し不安で…。」
あ〜〜〜俺が花の手引っ叩いたからだ〜〜〜。
何であんな事しちゃったんだよ俺の馬鹿。
「や、えっと…。」
「ダメ、かな…。」
「いやいいよ分かったよ言うよ言えばいいんでしょ。」
ゆっくり深呼吸をして俯く。
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