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本当に大変なのは次の日からだった。
食事は食べない、点滴は引っこ抜く、ベッドに乗らない、寝ない、薬は拒否、脱走しようとする、病棟内は大忙しだった。
結局部屋には鍵をかけ、点滴の時は押さえつけ終わるまで縛るしかなかった。
静かに泣きながら嫌がる姿を見るとなんとも心が痛く、それ以上に悔しかった。
夕方回診に回ると少ししか開かない窓を開けて窓の外をじっとみていた。
こちらに気付いていないようだったのでそっと声をかけた。
「こんばんは。身体しんどくない??」
すると唐突に
「あのね、あのね、さっき帰るいいよ言ってた」
「そうなんだ!誰がいいよって言ったの??」
嘘だとすぐに分かった。看護師もそんなこと言うはずないし俺以外の医者は来てないはず…
「えっと、えっと言ったの…言った」
必死に伝えてくる姿にまた心が痛んだ。
「そうなんだ!言ったんだね、だけどまだ痛いところ、しんどいところ沢山あるんじゃない?」
「無い、ない…外行く」
ぎゅっと拳を握ってポロポロ涙を流す姿は本当に辛くなる。
俺の気持ちをどうやってこの子にはどうやって伝えようか分かってもらおうか本当に悩んでしまう。
「じゃあちょっと気分転換にプレイルームでも行こっか!」
看護師に回診の報告を済まし少し出ることを伝えプレイルームに行くことにした。
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