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12時が過ぎ看護師と話そうとナースステーションに向かうと、廊下に昼食前や昼食後の薬を飲ませにいく看護師や、薬を取りに来る患者が沢山いた。
忙しそうだな。
そういや嶺君はご飯本当に食べてるのだろうか。
痩せていっているのはストレスだけにしては少し不自然すぎる。
看護師が少し落ち着くまで少し覗く事にした。
ドアを開けるとまだ食事に手をつけずにらめっこする嶺君がいた。
「嶺君!こんにちは!」
「今日の昼ご飯は何かな??」
「ごめんね〜急に来ちゃって、食べながらでいいよ!冷めちゃわないようにね!!」
すると少し嶺君がビクッとして、こちらを見た。こちらの言動に対して反応を示すのは久しぶりだった。
「あっごめん。僕がいたら食べにくいかな?また来るね!」
これは食べてないんだろうと思った。おそらく食べて吐いてしまっているか、部屋についてるトイレに流してるんだろう。
だが吐いていたとすれば臭いで看護師は気づくはず。
30分後また様子を見に行った。
また窓の外をじっと見ていた。目の前にある食器の中は空っぽで全て無くなっていた。だが箸を見て触ると使われておらず綺麗なままだった。やはり捨てていた。
このままじゃいけないと思い、嶺君の両手を握り取り無理矢理こちらを向かせた。
「嶺君。ご飯食べてる?本当は食べてないんじゃ無い?このままだと嶺君を元気にしてくれる栄養が取れなくなってどんどん苦しくなっちゃうよ?このご飯食べるのしんどい?嫌?思ったこと言っていいよ?ここにいる人誰も怒らないよ?」
少し間をもち嶺君が答えた。
「たべるします。ごめんなさい…もうしないです。」
俺が伝えたいのはそういうことじゃ無い。無理矢理食べて欲しくて言ってないのに。
「嶺君食べるの辛いんじゃ無い?」
それでもずっと否定し続けた。
「ちが、ちがうから、大丈夫です。」
「ねえ!嶺君!辛い事は辛いって言わなきゃダメだよ?辛いんでしょ?1人で抱え込んじゃダメ!」
ハッとする。これじゃあ脅迫だ。
最低だ。思わず感情的になって強く言ってしまった。
嶺君がパニックになって頭を下げて小刻みに震え出した。
「ごめんね。本当にごめん。大丈夫だよ。」
看護師をすぐ呼び薬を飲ませ、少し落ち着いた様子を見て食器を持ち部屋から出た。
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