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欲情
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ある日の深夜。
突然、少年が骨董商の部屋のドアを叩いた。骨董商が扉を開くと、少年が泣きながら立っていた。
骨董商は何が起こったのか尋ねると、少年は自分が死ぬかもしれないと告げた。詳しく尋ねると、少年は顔を赤くして【変になった患部】を見せた。
以前までは可愛いらしい萌芽だったそこは、先端の皮が剥けて隠されていた柔肉が剥き出しになり、可哀想な程に赤く腫れて震えていた。
胸が苦しく体は熱っぽく、思考が定まらない。いままでは深呼吸を繰り返せば元に戻っていたが、とうとう戻らなくなったと少年は泣いて訴えた。
この頃の少年は年相応の肉がつき、思春期前の子供独特の色気があった。普段は優秀で冷静な少年が体の成長に戸惑い取り乱すという落差は、骨董商の中に悪魔の囁きを産み出した。
年長者が自慰のやり方を教える事はおかしくない。自分も兄から教わったじゃないか。
彼は少年の手を引いて自らのベッドに導いた。その上で骨董商は己の物を少年に見せ、授業を装った淫猥な所業を行った。怯える少年のそれを大きな手の平で慰めてやり、前後不覚となり子犬のように鳴く少年に興奮し、その小さな唇を吸った。
次の日の朝。
二人の関係は少し変わっていた。
少年は骨董商の人付き合いに干渉するようになる。それはやんわりとしたものだったが、少年の嫉妬の感情に引っ掛かった者との接触を嫌がった。邪な想いを抱きながら萌芽を弄んだ負い目がある骨董商は、罪悪感から少年の言葉に従った。
変わったのは少年と骨董商との関係だけではない。あの日から少年の体は成長期を迎えていた。
その成長速度が物凄く、1週間で1㎝も背が伸びていた。いくら成長期でも有り得ない。骨董商は何かの病かと思ったが、少年は笑いながら、自分達の部族では少し成長が早い程度だと言った。
たった1ヶ月で10㎝近く大きくなった少年は、もはや少年期を旅立とうとしていた。顔立ちには精悍さが見え隠れし、四肢には硬い筋肉が着き始めた。
少年は男になりつつあった。
あれから数度、少年は骨董商の寝床にやって来た。あの晩の再現、もしくは続きを望んでいたが、骨董商は受け入れなかった。その度に少年は残念そうに帰るものの、何度も寝床を訪れた。
骨董商は仕方がないと己を納得させた。普通ならば同年代の少女と欲望を発散させるのに、少年の出生では叶わない。溜まった欲望を自分に向けるしかない。人肌を知ってしまい、安易に求めているだけ。だから、あんな目で四十路の中年男である自分を見るのだろう。
骨董商は、少年に【見逃してもらっている】事に気が付いていなかった。
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