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「良い子だ。
お利口さんだな」
長岡の指が愛用しているベルトのバックルに触れる。
カチャカチャと金属がぶつかる音がして、ベルトとボタンを外されるとチャックに節だった指がふれ。
思わず手首を掴むと、その手まで真っ赤になっていた。
「擦るだけだって」
「ほ、んと…ですか…」
「俺からはな」
意味深な言葉を吐いた長岡は、右口角を上げる。
「足り、るんですか…?」
「我慢するよ」
ジッパーを摘まんだままの長岡の指は動かない。
顔を一瞥すると、ニヤニヤと此方を見ていた。
そんな顔でさえ、格好良くてドキドキが止まらない。
爽やかで綺麗な人が自分にだけ見せてくれる顔。
誰よりも多く見る事の出来る髪型。
優越感が沸かないなんて、それこそ嘘だ。
大きな声では言えない関係だが、それ位許されるだろ。
冷たい手から手を離すと、首に巻き付ける。
顔のすぐ近くでふわふわといいにおいが鼻孔を擽る。
流されるのにおいだ。
唇を舐め、長岡の好みに強請った。
「我慢…しないで、ください」
「良いねぇ」
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