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マジックが点灯してから今日をどれ程待ちわびた事か。
長岡贔屓の球団の待ちに待った優勝の瞬間を2人で見守り、その瞬間をむかえた。
「っ!」
「!!」
やべぇとマジか以外の語彙をなくした長岡は子供の様なキラキラした顔で嬉しそうに優勝を噛み締めている。
「やべぇマジか」
「マジですね」
「うわ、嬉しい…」
「嬉しいです」
三条も嬉しそうに1つひとつに頷く。
マウンドに集まる選手達。
胴上げされる監督。
嬉しそうな長岡。
三条はそれらが嬉しい。
「前任の監督の胴上げも観たかったな」
それにも、頷いた。
決して彼が悪かったんじゃない。
誰が悪いとかそういう問題ではなかった。
強いチームが勝つんじゃない
勝ったチームが強い
ただ、それだけだったんだ。
「CSも日本シリーズも楽しみだ。
仕事頑張れる」
「楽しみですね。
日本一」
「あぁ。
日本一な」
握り締めっぱなしだった長岡の手のひらには爪が食い込んでいて、赤くなったそこを三条はそっと撫でた。
長岡は熱中し過ぎたと苦笑いを浮かべたが、そんな無邪気な一面が見られる事がまた嬉しい。
それからビールかけをし、生放送でインタビューを受ける選手達の良い笑顔を終始同じ顔で観ていた。
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