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きっつい…
「魑魅魍魎」
「右往、左往」
「有象無象」
腹筋をしながら四字熟語でしりとりをしている2人。
長岡はさっきから語尾がう、ばかりで責めてくる。
三条は頭をフル回転させながら同じくうで終わる様に責めていくが、相手は長岡。
知識も語彙力も格段に上だ。
しかも、あの割れた腹筋。
自分の貧相な身体とは大違い。
男なら憧れるハイスペック。
だが、いくら自分を溺愛しているといっても変に特別扱いもしない。
そういう所も好きだ。
「う…雨奇晴好」
「有象無相」
「う……う…雲散霧しょ…う」
「んじゃ、雲散霧集」
長岡はにやりと笑いながら狡い回答をした。
「…他にうが付く四字熟語ありますか…?」
ばたんと床に倒れると長岡が横にやって来た。
涼しい顔をして余裕綽々で見下ろす顔は本当に腹筋をしたのかと思う程爽やかだ。
「雲煙飛動」
ぐぅぅ…
「惜しかったな」
「正宗さんハイスペックですから」
「ハイスペックって…。
でも、若さでは勝てねぇよ」
息を整えてから起き上がる。
もっと筋トレをして、もっと勉強をして長岡みたいになりたい。
良い男になって隣にいたい。
そう言えば、きっと長岡はゆっくりで良いと頭を撫でるだろう。
だけど、長岡に何かあった時に頼って貰える様になりたい。
少しでも護れる様に強くなりたい。
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