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「で、吉田は相変わらずか?」
「?
どういう意味ですか?」
「吉田って中川の事好きだろ」
吉田の想いは担任にまでバレていたらしい。
「正宗さんにまでバレてるんですね」
「あれ隠してんのか?」
「本人は至って真面目に隠してますよ」
「…解りやすいな。
あれなら中川も気付いてんだろ」
「そうですね。
でも、普通に接してくれてます」
あれだけの好意を向けられれば嫌悪するかと思いきや、知佳ちゃんは他の友人と同じ様に接してくれていた。
その態度は吉田の友人としてとても有り難く感謝しているが、知佳ちゃん本人はどう思っているのか時々不安になる。
迷惑だと思っていなければ良いが。
「俺も遥登の事すっげぇ好き」
「あ、の、俺も…好き、です」
「好き。
バレたらやべぇって解ってても、とまんねぇ」
くしゃりと髪を掻き混ぜられ、その手の力強さにドキドキする。
「とまらないで…」
ぽつり、口から漏れた本音はあまりに小さく部屋に消えていく。
聴こえてない。
そう、思ったのに。
「とまんねぇよ」
そう、返ってきた。
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