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ぽたぽたと垂れる雫がタオルに染みていく。
廊下を濡らさない様にたまにタオルで毛先を拭きながら廊下を進むと良いにおいがする。
晩飯の準備をしていた長岡は三条の足音に手を止めた。
「あったまったか?
髪乾かすから、そっち行くぞ」
「え、自分でしますから…」
「俺の楽しみ取んなよ」
さっと手を洗い、ソファに座る様に肩を押された。
食事の仕度をしているなら尚更自分でするのに。
わしゃわしゃとタオルドライで粗方の水滴を拭うと、あたたかな風が頭を包む。
大きな手が頭をマッサージする様に押し込んでくれて、気持ちが良い。
「あの」
「ん?
なんか言ったか?」
ドライヤーの音で聴こえねぇなと一旦止めた長岡は、再度どうした?と顔を近付けてきた。
「母さんみたい…」
「誰が母さんだ。
俺は遥登のなんだ?」
「…恋人、です」
改めて口にすると照れてしまう。
何年見ても綺麗な顔だと思うし、最近は大人の色気がぐっと増した。
筋肉も衰えないばかりかセックスは激しさを増すし。
同性から見ても、こんなに格好良い人が恋人だなんて未だに夢のようだ。
あ、でも現実の俺の恋人だから誰にもあげない。
「それとも、遥登は恋人以外とこんな事すんのか?」
「ま…んっ、ぅ…ん」
顎を掴まれてキスをされる。
それも舌を絡めるえっちなやつ。
まるで自分の口内の様に動く舌にゾクゾクする。
長岡とのキスは気持ち良くて、たまらなく好きだ。
だけど呼吸が出来ない。
脇腹を叩いて苦しい事を伝える。
名残惜しいとばかりに舌を甘く噛まれ口が離れていった。
「は……し、しない…」
「だろ」
「……でも、至れり尽くせり」
「たまには良いだろ。
今日は甘えとけ」
たまにはって、何時もな気がするけど…
またあたたかなに空気が頭を包み、頭に触れる手から楽しそうなものが伝わってきた。
「じゃあ、お願いします」
「お願いされました」
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