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「風呂掃除終わり。
手伝う」
「こっちももう終わるので休んでてください」
腕捲りを下ろしながら炊事場へと顔を出すと、休んでくださいなんて優しい言葉が返ってきた。
確かに、もうシンクに洗い物はない。
なら、夕食後のお茶の用意でもしよう。
久し振りに紅茶のパックを取り出し、電気ケルトに水を注ぐ。
「紅茶久し振りですね」
「最近コーヒーか麦茶ばっかだったからな」
洗い物の終わった三条は手に付いた水滴をピッと弾くとタオルで水気をとる。
若い肌は水弾きも良い。
背後から目の前のほっそい首に舌を這わせた。
「ひ、っ」
びくっと肩を震わせ首を手で隠す恋人は、その手まで真っ赤にして振り返った。
「なに、するんですかっ」
「いや、でかくなったなって思ってな」
170センチだった三条はすくすくと育ち、今や180後半。
可愛い可愛いと言うが、平均身長よりも高く立派な大きさだ。
長岡が大き過ぎるだけで決して可愛いサイズではない。
「成長期ですから」
「本当に成長期だよな。
キスする時に背伸びすんの、あれも可愛かった」
「小さい方が良いですか?」
「遥登ならでかくても小さくても好きだって」
太ってても痩せてても。
男でも女でも、そうじゃなくても。
遥登が遥登なら、それが良い。
そんなものに惚れた訳じゃない。
「俺が、正宗さんの背丈越したら背伸びしてくださいね」
「こんなおっさんにそんな事させてどうすんだ」
「俺の自尊心が満たされます」
そんな事を言うが、三条の自尊心はそんな低くはない。
誰かの上に立ちそれが快感だなんて思う様な子ではないのを長岡はよく知っている。
「ま、越したらな」
「楽しみです」
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