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部屋に帰るなり、ネクタイを緩め、首元のボタンを外し、大きな欠伸をする。
部屋に帰ってきて完全にスイッチが切れた。
ボフッとソファに腰掛け息を吐いた。
背凭れに頭の乗せ、コートが皺になるのも気にせずダラける。
三条が見たら眉を下げ笑うだろうが、生憎その恋人は今はいない。
ま、恋人が居ても構わずにダラけるが。
あの子の前で猫を被る必要はない。
ありのままで良い。
とは思いつつ、早めに動かないと何をするのも億劫になってしまう。
せめてコートとスーツを脱がなくては。
ぐぅぅ……と腹の虫が鳴き飯を催促しはじめた。
ネクタイピンを外すとそっとそれを撫で、ネクタイと共にローテーブルに置くと飯の用意に腰を上げた。
今しがた片付けた食材で焼きそばと、ガラスープの粉末に冷凍葱と乾燥わかめを入れお湯を注いで汁物を作り簡単に済まそう。
作るのも食うのも手軽だ。
でも、やっぱり目玉焼きは焼こう。
あれは元気がでる物に変わった。
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