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檻に入れられた犬
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「なんだその目は生意気なんだよっ!」
気づいたら四方八方からブン殴られ、他の人にはそれを無視された。
「ごめんなさい……許してください……」
僕はひとり、檻に入れられた犬のように来る日も来る日も頭を下げ、どんな命令にもしたがった。
財布のなかみをすべて差し出し、にごったプールに制服のまま飛び込み、トイレの掃除用モップやホースをしゃぶった。
でも唯一、したがえない命令があった。
「早く死ねよ」
「さっさと死ねば?」
「死んじまえ」
死ななきゃ──そう強く思うものの、屋上のフェンスを乗り越えられなかった。手足がひどく震えて力が入らない。
次の日になると「なんで死んでねぇんだ」と殴られる。
僕は出来損ないのバカ犬だ──。
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