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話したのはそれっきりであとは関わりもなく、先輩は卒業した。
でも今先輩は目の前で、笑う癖も変わらず、彼のタバコの匂いがよくわかるほど近い。
大人びた彼はあれから背が少し伸びた僕よりも身長が高い。
優しくて、笑う笑顔がカッコいい人。
僕はやっぱり先輩の事が、
「好きっ」
「えっ…」
あれ、僕今何を口走って…
気がついたら心の声が漏れていた。
慌てて何か弁解できる言い訳を探すけど、
自分があまりにも動揺しているせいで恋愛感情の方だとバレてしまった。
「好き…?なの?俺の事が…」
顔は多分桜の色よりも赤い。
もう、こうなったら言ってしまえ。
あの頃勇気も出せずに後悔した。
手をギュッと握りしめてしっかりと届くように声を出した。
「す、好きですっ!僕、先輩の事、高校の時からずっと忘れられずに好きでいましたっ!」
おかしいよね、男なのに。嫌われるかもしれない。
でもこの気持ちは変えることはできないから。
桜でピンク色に染まっている地面を僕は見つめた。
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