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組員さんがお茶とお菓子を小さなテーブルの上に置いて出ていった。
「ふふ、つかれた顔してる。」
「・・・すこしだけ、疲れました。
普段あまり外に出たり人に会うことをしないので」
やっぱりまだ他人の目線が怖く感じる。
アキラが傍にいてくれないと、繁華街とか人の多いところは怖くて足が竦んでしまう。
「・・・ごめんなさい。貴方のことは資料で知ってるの。アキラに近い人間は調べられるから」
「・・・そうですか。」
アキラほどの地位の人間だから仕方ない
俺のプロフィール見たって、面白くもなんともない。まあ気分を害してしまうかもしれないけど。
「辛かったね、なんて簡単には言えない。
けど、アキラと出会ってくれてありがとう。」
「・・・」
「貴方には家族というものに対してあまり良くないイメージを持ってるかもしれない。
けど、私は貴方を家族と思ってるから。」
「・・・、はぃ、」
「私も鉄さんも、貴方を大事な子供だと思ってる。私のこともお母さんと思って欲しい。それにたくさん甘えてね?
私達は貴方を傷つけるようなことはしないと誓うわ」
敬語もやめてね?と美鶴さんは笑って言った。
俺の手に彼女の細い手が重なった。
暖かな体温に涙が出そうになる。
家族なんて、わからない
だけど、こんな優しい人が俺のお母さんになってくれると思うと、心があたたかくなる。
嬉しい。単純にそう思った。
「・・・甘える、てどうしたらいいか、わからない、」
「それは、アキラが悪いわ!」
え、なんで?
「アキラが普段から甘やかしてないってことでしょ?
まったくあの子はもう・・・」
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