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そのままアキラの胸にもたれ掛かるようにして意識が途切れた。
ずっと気を張っていたから疲れたんだと思う。
俺の安心できる場所は、世界中を探してもアキラの腕の中だけだ。
三十分くらい寝て起こされた俺は、アキラと一緒に広間にいった。
広間には十何人かの人が並んで座っていて、上座には鉄心さんと美鶴さん、魁斗さんに斗真さんと並んでいて、俺らもその中に座らされた。
鉄心さんにアキラの大事な人で新しい家族だって俺の事を紹介してもらって、俺もビビりながらも頭を下げる。
強面のゴツい男の人達が俺をジロジロとみている。
本家住まいの組員さん達だと教えて貰った。
組長さんの直属の部下だったり、側近、幹部、世話係等、本家住まいの人達は地位の高い人が多く、その他は見込みのある新人さんなどが修行をする為に住んでいるらしい。
他人の目線に敏感な俺。怖い、と思った瞬間にはアキラが俺の肩を抱き寄せて、彼等を制してくれた。
「俺の、大事な恋人だ。必ず護れ。」
組員さん達の揃った力強い返事にびっくりしたけど、俺の事を否定されなかったことへの安心感でうれしかった。
その後、皆さんと一緒に晩ご飯を食べて、鉄心さん美鶴さんに挨拶しにいった。
「今日は本当にありがとうございました」
「ふふ、お疲れ様、ユキちゃん」
鉄心さんに寄り添ってニコニコしながら美鶴さんが労わってくれた。
今日は本当にたくさんなことがあったから、正直眠たい。
さっき少し寝たけど全然足りない。
「親父、帰る。」
「ああ。ユキ、また来い。美鶴が喜ぶ」
「はい!ありがとうございます」
改めて鉄心さんにお辞儀をしてから、アキラに手を引かれて戸を開ける
アキラ。
鉄心さんの声がして、立ち止まった。
「・・・ネズミが蔓延っている。あの時と同じだ」
「・・・」
「黒崎家総力を上げて必ず潰す。もう絶対に失わない」
「・・・当たり前だ。」
そう言ってアキラは振り返らずに俺を引いて足早に部屋を後にした。
戸が閉まる時、隙間から鉄心さんが美鶴さんの左足を摩っているのが見えた。
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