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目を覚ますと見たことのあるような無いような白い部屋だった
天井も白
壁も白
カーテンも白
床は・・・・見えないや
そして豪華なシャンデリア
ここは・・・・・・病院なの?
俺は確か・・・・・・・・
「いでっ!」
「目が覚めたのか?」
どうしよう
思い出した
思い出したら自分が今までやって来た事の情けなさとか色々と頭に浮かんで来て
「ううっ・・・・俺っ・・・・もう」
「怪我が痛むのか?」
「そうじゃない・・・・・俺はもう」
冬矢と付き合えるような人間じゃないんだ
だって・・・・・だって・・・・・
「何か飲むか?」
「話を聞いて!俺はもう冬矢とは・・・・」
「お前は馬鹿か?」
「・・・・・・・・・え?」
「一度しか言わないと言った言葉を忘れたのか?」
「それは・・・・・・」
「どうでもいい奴なら俺が必死に捜すと思うか?」
「だけど俺は」
「もう忘れろ、俺も忘れる・・・・・お前が俺の家から突然消えてからの事はな」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「それともまだ俺が信用できないか?」
「そうじゃないけど・・・・・・俺でいいの?」
「いいから俺はここにいるんだろ」
「ごめんな・・・さいっ・・・・ううっ・・・・グスッ」
「今度からは勝手に何でも自分で決め付けるなよ」
「うんっ」
と言うか・・・・・拳銃持ってたよね?
殺したの?
しかも全く外してなかったような・・・・・
「あの・・・さ」
「何だ」
「殺したの?」
「忘れた」
「もう!」
「お前をこんな目に遭わせた奴らを生かしておく気など更々ないけどね」
「じゃ・・・・・・」
「でも、誰にも知られる事は無いから安心しろ」
「えっ?」
「世の中にはそう言う奴らが腐るほどいるだろ?行方不明で片付けられるそんな世の中だ」
「うん・・・・・」
「お前が過去の自分を責めているのなら、俺も数え切れないかもな」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
冬矢の過去・・・・・
知りたいけど今はいいや
今は過去じゃない
今は今なんだ
そしてこの幸せな時間が1秒後過去になる
だからこれからもずっと幸せならそれでいい
「嫌いになったか?」
「全然!・・・いててっ」
「だろうな、まるでミイラ男だ」
「ひどっ!」
そう言いながら冬矢は頭を撫でながら言った
「でも本当によかった・・・・・心配したんだぞ」
「ごめんなさい」
「退院したらきっちり体で返してもらう」
「あはっ」
きっと冗談だろうけど、冬矢なりの励まし方と優しさなんだと思った
「鼓膜は右だけだからしばらくは聞き取りにくいかも知れないが我慢しろ」
「うん」
「後は、全身打撲と両手足の骨折だがリハビリで元通りになるらしいから」
「そか」
「以下省略だ」
「・・・・・・ん」
麻酔が切れてるからわかる
この痛みの原因は言わない冬矢
「冬矢」
「どうした、痛いのか?痛み止めを」
「・・・・・・・大好き」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
あ、あれ?
何となく不機嫌?
何で??
もしかして・・・・・
「冬矢?」
「何だ」
「・・・・・・・・・・愛してる」
「俺もだ」
成程ね
変なところで子供みたい
「もう少し眠れ・・・・と言いたいが眠れないか」
「うん、眠くない」
「じゃ、どうしよう」
「しりとり」
「えっ?」
「しりとり」
「わかったよ」
苦笑しながら頷いた
そして・・・・・・・・・・・・
「もう!るしばりはやめてよ!」
冬矢はるの付く言葉ばかり言うし・・・・・
「もう終わりか?」
「むむっ・・・・る・・・る・・・・ルーマニア!」
「国名もありなのか?」
「うん!」
「じゃ、何でもありなんだな?」
「そうだよ」
「わかった、じゃアニマル」
「ぐっ!まさかの英語で来るとか」
「う~ん・・・・・あっ!ルイビトン・・・って」
「冬矢様15勝目おめでとうは?」
「むぅ・・・・・・」
しりとりがこんなに難しいとは思わなかった
「そうそう、お前の高校には病欠と言ってあるから退院したらまた通えよ」
「うん」
「でも、本当にそうなるとはね」
「むむぅ・・・・・・」
また学生生活か
うん、学校はやっぱり行きたいしね
嬉しいな、テストとかは嫌だけど楽しいし
でも、いつ退院出来るんだろう
一ヶ月は入院生活かもね
と言うか、よくみたらこの部屋なんか広いし綺麗
テレビもあるし、ソファーもあるし、シャワーも付いてる
「この病室って」
「和海に任せたらこうなっただけだ」
「でも、高いんでしょ?俺大部屋でも」
「そこへ移動したらこういう事も出来ないだろ?」
そう言って、優しくキスをして微笑んだ
「・・・・・・・・・・・・うん」
「たとえ1日10万でも問題ない」
「ちょ!」
「和海の病院だし」
「えっ?」
「この病院の持ち主は和海だ」
「嘘っ!」
「単なる投資だ」
「単なるって・・・・・・」
「医師免許も持ってるしな」
「ええっ?和海さん?」
「ああ、内臓を切り刻みたいからと言っていたが医師免許だけ取得して今度は警官になってそのままエリートコース一直線てやつだ」
「そうなんだ」
「ちなみに今の話は内緒な」
「わかった・・・・でもどうして」
「医者にならなかったのかって?」
「うん」
「人間の内臓を一度見たら飽きたらしい」
「ある意味怖い発言すぎて笑えない」
「あいつがメスを持つと助かる患者も死んでしまいそうだしな」
「あはは・・・・・笑えないよ」
「痛くてか?」
「ちがっ!・・・いででっ」
「まぁ、あいつは今の仕事が向いてるんだろうな」
「そうなんだ」
「怪我をしたら和海に診てもらうといい」
「ん?」
「麻酔無しで縫合されるぞ」
「絶対行かない!」
「ほら、ここに傷があるだろ?」
「ん?すごく薄い傷?」
腕に切り傷みたいなのがあった
どうしたんだろう
「いきなり変な酔っ払いに絡まれて、かわしたつもりだったんだが車の中で気付いたんだよ」
「そいつは?」
「あー、忘れた」
「うわ----」
今頃どこかで骨になってるかも
と言うか兄弟揃って怖すぎです
「あいつの腕はいいんだがな・・・・・はぁ」
「もしかしてその傷は和海さんが?」
「ああ、病院に行くのが面倒くさかったからあいつに見せたら麻酔なしで縫合しだして」
「うわっ・・・・・」
「俺が痛みに耐えてる顔が見たかったらしいけど、あいつの考えは想像できたから無表情で終わるのを待って残念がる和海の顔を見て笑いながら帰ったよ」
「痛くなかったの?」
「めちゃくちゃ痛かったよ、車の中で泣きそうだった」
「あははっ・・・いでっ!」
「他人には冷たいがお前は大丈夫だから安心しろ」
「う、うん」
そんな話を聞かされて安心しろと言われてもな
でも、冬矢がそう言うんだから安心しよう
何だか少し眠くなって来た
外はまだ明るいけど、心地いい風が眠気を誘った
「冬矢」
「眠そうだな、俺はここにいるから」
「うん」
傍に居てくれるだけですごく安心出来た
そう言えば久しぶりにベッドで寝たかも
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