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物心が付いた時から、隣には同じ顔をした兄がいた
いつも一緒にいるのが当たり前だと思っていたが、中学に入学してそれぞれ違う友人が出来た
・・・と言うより友人のふりをしただけだが、今更どうでもいい
でも、家に帰れば同じ顔の冬矢がいた
最初は単なる出来心だった
冬矢の部屋に入ると、女の子がいた
まぁ、顔は可愛い部類に入るのだろう
「あっ、忘れ物?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「コンビニに行くんじゃなかったの?」
この女は馬鹿だな
どうやら間違えているらしい
彼女なら気付いて当たり前なのに
「気が変わった」
「えっ?」
そのまま押し倒し、冬矢の彼女とやってる最中に帰って来た
「嘘っ!同じ顔・・・・えっ・・・・」
「話しただろ、双子の弟がいると」
「そ、そうだっけ?」
「もういいから二度と俺に声をかけるな、和海もやる気が無いのなら部屋に戻れ」
「怒らないのですか?」
「見分けも付かないような女には興味が無くなっただけだ」
「だそうですよ」
「冬矢さん、違うの・・・・私」
「服を着て帰れ」
「お願い、話を」
「俺が戻るまでに消えろ」
「そんな・・・・・・待って!」
「無駄ですね」
「酷いっ!どうして・・・・」
「酷い?私を冬矢と思い込んでいたのは貴女でしょ?」
「ううっ・・・・馬鹿っ!」
「今度馬鹿と言ったら殺しますよ?」
「ひっ!」
ムカつく女だ
自分から腰を振ってたくせに今更だ
そんな事を繰り返しても冬矢は怒らなかった
その代わりに会話がどんどん減って行った
顔を合わせるのは食事中ぐらいになり、久しぶりに冬矢が話しかけて来た
「和海」
「はい」
「趣味か実験かは知らないがカエルの死体を庭に捨てるな」
「肥料になるかと」
「いいな」
「わかりました・・・・・もうすぐ卒業ですが本当に留学を?」
「ああ」
「そうですか」
「お前は大学の医学部だろ?」
「はい」
「カエルでは物足りないのか?」
「そうですね・・・・人間の内臓はどんな色をしているのでしょう」
「・・・・・・・・・・・・・知るか」
冬矢が離れて行く度に増えていく死体
切り刻んでも心の闇は晴れない
「今更ですが」
「何だ」
「昔のように仲良く・・・・」
「今更だな・・・・自分のやってきた事を考えればわかるはずだ」
「でも、冬矢もそれほど好きではなかったのでは?」
「そうだとしても、付き合っているのを知っていてやるお前は最低以下だ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「兄弟の縁を切るとまでは言わないが、今はお前とこれ以上一緒にいると感情が抑えきれなくなりそうだしな」
「そうですか」
そして冬矢は留学して、俺は医学部へ進学して医師免許を取得した
人間の内臓は想像していた色とは違っていたしすぐに飽きた
内臓に飽きると今度は拳銃で誰かを撃ってみたくなった
そう言う機会はまず来ないと思いながら今度は警官になり、そのままエリートコースで警視庁初の最短期間でトップまで上りつめた
想像と違い意外と面白かった
今の世の中、馬鹿な奴が多くて退屈はしない
射殺命令を出すのは自由
死んでもいい人間なら撃ち殺してしまえばいい
撃った後の火薬の匂いが堪らない
冬矢は綺麗だった金髪を黒にして長かった髪をばっさり切って日本に戻り、会社を興した
俺達の亀裂は修復不可だが、大人になった分会話は普通にしてくれていた
もう彼女を寝取る気は無いが、日本に戻って来た後の冬矢に恋人の気配すら無い
そして俺もそう
恋人など面倒なだけだ
遊ぶなら後腐れの無い奴がいい
「どう致しましょう」
「情けないですね、こんな子供一人に振り回されているとは」
「しかし、証拠と言う証拠を残さない賢いやつですので」
「わかりました、もう少し様子を見ましょう」
「はい」
書類に目を通しデスクに置いた
天使のような悪魔か・・・・・
是非会ってみたいものだ
そしてそのチャンスは意外と早くやって来た
部下との付き合いも時には必要だ
適当に飲んで帰ればいい
そう、店に入るまではそんな事を考えて書類に貼り付けてあった天使の顔を思い出していた
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