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新しい学校?
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長かった入院生活も今日でおしまい!
リハビリも頑張った!!
すごく辛かったけど頑張れたのは冬矢のおかげだね
翔もほぼ毎日顔を出してくれたから退屈しなかった
「燕羽、行くぞ」
「うん」
ここには二度と戻りたくないけど、何となく寂しいような感じ
すぐに忘れてしまう感情なんだろうけどね
お世話になった先生や看護師さん達に挨拶をして冬矢が開けてくれた車に乗った
と言うか、冬矢ってホントに外面がいいんだな~って改めて思った
「何ニヤニヤしているんだ?」
「んふふっ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・もういい」
冬矢はいつもナースセンターに差し入れをしていたらしい
本当は禁止らしいけど、冬矢の差し入れはいつも美味しそうなものばかりでこっそり受け取っていたみたい
だからみんな優しかったのかな?
冬矢は先生とは親しく接していたし、看護師さん達の間では人気もあった
彼は外科のアイドル的存在だったのよ・・・と帰り際に教えてもらった
てか、アイドルって・・・・・
何も知らないって幸せだな~とか考えてしまった
だって、そのアイドルと俺は付き合っているんだしねっ!
「久しぶりの外~!」
「はしゃぐな」
「だって~!」
見慣れた風景も新鮮な感じに見えるのが不思議だった
「あっ、いつも病室から眺めてた黄色のビル~!」
「はぁ・・・・・」
リハビリ中、窓から見えた遠い景色が今は目の前にあった
「冬矢」
「どうした」
「お腹空いた!」
「わかった、何が食べたい?」
「ん~~とね」
何がいいかな
病室ではいつも退院したら食べたい物とか考えていたけど、いざ尋ねられるとたくさんありすぎて悩む
「決まりそうに無いな」
「あはっ」
「じゃ、ランチバイキングにするか?」
「うんうん!」
「確か、その黄色いビルの中にあるレストランのバイキングが評判だと聞いた」
「誰から?」
「看護師さん」
「むぅ・・・」
「嫌われるより好かれた方が何かと得だろ?」
「そうだけどさ」
「嫌われたら陰口しか言われないが、好かれればいろいろな情報も耳に入るし」
その情報のひとつがバイキングね・・・・・いいけどさ
「多少の金で何かを与えれば人間も扱いやすい」
「うわーーーっ、ひど」
本音が出たよ
もう慣れたけど、ホント裏表の差がありすぎでしょ!
「そしてその情報のおかげで、お前は今から美味しいものが食べられるかも知れない」
「そうだけど」
「そして今の世の中の流れを多少は把握できる・・・特に俺にはわからないような学生達の流行とかね」
「ん?」
そう言ってダッシュボードから箱を取り出し、渡された
「退院祝いだ」
「へっ?」
「開けてみろ」
「うん」
何だろう
小さい箱だけど・・・・・
「あっ!ipodだっ!!しかも雑誌に載ってた新製品の欲しかったやつ!!ありがとう冬矢」
「少しはそんな情報も役に立つだろ?」
「うんうんっ!すごく嬉しい」
「そうか」
「家に帰ったら曲を入れよっと!これで通学も楽しくなるな~」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
「ん?どうしたの?」
冬矢が黙り込んだ
もしかしてもう退学になったとか?
「お前はあの学校が好きだったか?」
「ん~、友達もいないし特に好きとかはないけど」
「そうか」
「どうして?もしかして俺、休みすぎて退学になったとか?」
「いや・・・・・」
「何だよ」
「家に帰ってから話すつもりだったが」
「うん」
「違う高校へ転校させる」
「ええっ?!」
「正直、お前が心配だったしお前もその方がいいかと思ったんだ」
「別に、転校は構わないけど制服とかでまたお金が」
「そんな事はどうでもいい」
「うん」
「ちなみに・・・・・・」
「ん?」
「翔と同じ高校だ」
「ホント?嬉しい!!」
「そうか」
「うんうん!でも、翔の高校の授業料とかってすごく高いって看護師さん達が言ってたけど」
「一応、有名私立高だしな」
「そうそう、偏差値も高いし、お金持ちしか入れないって・・・・・だからその学園の制服を着た生徒を街では見たことが無いって言ってた」
「だろうな」
「んっ・・・・?偏差値・・・・・って俺アウトじゃない?」
「だから今日からお前は入試テストに向けて特別授業だ」
「嘘っ!」
「本当だ」
「無理っ!絶対無理!!俺馬鹿だし」
「そうだな」
「うっ・・・言い切らないでよ」
「でも、お前はもう一度1年からやり直せて嬉しいだろ?」
「ううっ・・・マジで?」
「ああ」
はぁ・・・・・
また1年からとか
でも、翔も1年だったような
「もし勉強しても受からなかったら?」
「金で解決する」
「なっ!」
「それが嫌なら頑張ればいいだけの事だ」
「ううっ・・・・・はい」
それだけは絶対嫌だ
絶対自分の力で受かってやる
「ちなみにテストは来週だ」
「ちょっと!!一週間もないとか」
「頑張れよ」
「そんなぁ~~~」
家でのんびり曲を入れてる場合じゃないしっ!
でも、翔と同じ高校に通えるなら頑張るもんね!
そして地獄の5日間が始まった
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