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あ~~~、ついに来た・・・・・
もう頭の中は公式だらけ
転んだら全部忘れそう
「じゃ、頑張れよ」
「うんっ!」
「また迎えに来る」
「わかった」
地獄の5日間が終わった・・・・・
マジで死ぬかと思った
と言うか、馬鹿高校ですらぎりぎりで入ったのに大丈夫かな俺
でも、冬矢が熱心に教えてくれたし後は頑張るしかない
「はぁ・・・緊張する」
しかも学園の中はまるでお城みたいだし、ホントにここって高校?
でも、案内されてるからそうなんだろう
「では、ここでテストを受けてもらいます」
「は、はい」
会議室みたいな感じの部屋だな
明らかに普通の高校じゃないよね
壁も綺麗だし、建物もめちゃ豪華すぎる
ごみも全く落ちていないし、階段もお城に出てくるようなゆるやかなカーブを描く階段だった
こんな高校、ホントにあるんだ
「では、始めて下さい」
「はい」
緊張しながら裏返しのテスト用紙をめくった
まじかぁ~
俺、無理かも・・・・・
1問目から躓いてるし
どうしよう
必死に公式を思い出しながら問題を解いた
落ち着け・・・・落ち着くんだ
この問題はやったはず
「あっ!」
そうだ!
思い出した
確か、この数式は・・・・・・
すごい
冬矢に教えてもらった問題ばかり出てる
これなら解けそう
生きてきた中で、今が一番頭を使っているかも
大丈夫、きっと解ける
静かな部屋の中で聞こえるのは、ひたすら問題を解く乾いたペンの音
諦めるな、まだ時間はあるはず
ちゃんと見直しをしなければ
「終了です」
「はぁ・・・・・・」
こんなに時間が短く感じた事はなかった
でも、すごく充実した感じ
出来るだけの事はやった
これで駄目だったら仕方が無い
受からなかったら悲しいけど、俺が馬鹿だったと言う事だしね
「では明日までに合否の連絡が入ると思いますので」
「はい、ありがとうございました」
もしかしたら二度と来れない場所かも知れないから、ちゃんと見ておかないとね
廊下を歩きながらそんな事を考え、窓から見える広い中庭を見つめた
と言うか、キラキラ水しぶきを上げている噴水とか、高そうなベンチとか白鳥の泳ぐ池とか
ここだけが違った世界みたい
「燕羽!」
「ん?」
「終わったのか?」
後ろを振り向くと翔がいた
「翔っ!」
「おいおい・・・・」
「頑張ったよ!頑張ったけど、もし駄目だったらもうここには来れないからちゃんと目に焼き付けておかないと」
「そっか、お茶でも飲むか?」
「でも」
「近くにカフェがあるし、冬矢には連絡を入れておくよ」
「わかった」
結果は嫌でも明日わかるんだ
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「どうしたんだ?」
「ううん、外で見る制服姿と違うなって」
「そうかな?」
「うんうん、普通の学生に見える!」
「は?」
「あははっ」
白いお洒落な制服がよく似合っていた
「1年のネクタイは紺なの?」
「だな」
「そうなんだ~」
「でも白だから汚れちゃうね」
「ここにいる奴らはそんな事気にしないような奴らしかいないよ」
「どう言う事?」
「毎日クリーニングだから汚れと言う意味すらわからない」
「まじで?」
「ああ」
「すごい・・・・・」
はぁ・・・・・
俺の制服姿が浮いて見える
一目でわかる馬鹿高校だしね
「ここだ」
「うわっ!普通のカフェだし」
「行くぞ」
「うん」
いやいや、普通よりお洒落と言うか豪華な内装だし
「何にする?」
「んとね・・・・・ん~~、翔は?」
「俺はココア」
「じゃ、俺も~」
「わかった、窓際の席に座っていろ」
「はーい!」
1年のネクタイが紺色
じゃ、むこうにいる人達は上級生なのかな?
うわっ、目が合った
どうしよう・・・・こっちに向かって歩いて来たし
「君、誰?」
「えっ?」
誰って言われてもな
「その制服は下品だし庶民の高校だよね?」
庶民って・・・確かにそうだけどさ
なんか言い方に棘があるし
「勝手に入り込んだの?警備員呼ぶよ」
「違うし!」
「じゃ、君は誰?名前は?ご両親は何をされているの?」
・・・・・・・・・・・・何なのこいつ?
「邪魔だ、どけ」
「えっ、翔君の知り合い?」
「そうだけど何?」
「う、ううん・・・何でもない」
「あそ、まだ何か?」
「あはは・・・・・じゃ、失礼するよ」
何だったんだ?
でもネクタイの色は赤だった
「上級生じゃない?」
「だな」
「いいの?」
「何が?」
「そんな言葉で」
「いいんだよ、あいつは前から気に入らないし」
「そうなんだ」
「そそ、すぐ家柄を出してくるお坊ちゃま」
「へぇ」
「駅前に、ガラス張りのデパートがあるだろ」
「うんうん、高そうなお店がたくさんあるビルだよね」
「そのビルのオーナーがあいつの母親らしい、まぁあのビルだけじゃないけどね」
「まじで?」
「父親は知らないし興味ない」
「だね」
綺麗なカップに入ったココアを飲みながら翔を見つめた
やっぱり同じ高校に通いたいな
毎日がすごく楽しそうだし
でも、ここでは違ったいじめとかありそうだな
さっきみたいに庶民いじめとか
「どうした?」
「庶民が通ってもいいのかなって」
「俺もそうだし」
「うん」
「この学園の生徒だってみんなそうだろ?金持ちなのは親で、その権力と言うぬる~いお湯に浸かってるだけの温室育ちの世間知らずばかり」
「あ、あはは・・・直球すぎ」
「いいんだよ、俺もそろそろ退屈な学園に飽き飽きしていたし、お前がいれば面白そうだし」
「受かればね・・・・俺だって翔とここで過ごしたいよ」
「大丈夫だよ、頑張ったんだろ?」
「うん、すごく頑張った」
「結果が残せればいいな」
「はぁ・・・・・今採点されてるのかな~とか考えると気が重い」
「ばーか!今更だろ?」
「そうだけどさ」
明るいカフェでそんな話をしながらココアを飲んだ
何となく周りの視線が痛いけど、無視しよう
庶民は図太いんだ!
多少の事ではへこたれないしね!
はぁ・・・・・
明日が怖いけど早く明日にならないかな
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