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* Sweet.3 *
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「……まあ、違う意味で女の子泣かせてるかも。学年一……学校一でモテてるし」
「えぇっ。舜が……? 夕里くん面白いこと言うのねぇ」
ばしばしと肩を遠慮なしに叩いてくるので、おっとりとした口調と佇まいにすっかり慣れていた夕里は、目を白黒させる。
「お客様には“息子さんイケメンで羨ましいわ”なんて言われるのだけど、全然そんなことないのよー。若い男の子ってほら……何かとちやほやされるじゃない? 格好いいなんて言われている今が華ね」
息子がイケメンだという事実を何故か頑なに認めようとしない直美は、同年代の女性にまた茅野の居場所を聞かれていた。
「息子さんを見られるならもう1つ買おうかしらっ」
「すぐに呼んでくるから少し待っててもらえる!?」
──う、嘘だろ!? 本当に呼ぶの!?
退店しようかとも悩んだが、忽然として消えたなら印象も悪くなると思い、夕里は留まった。
それに千里に夕ご飯を買ってくるとメッセージを送った手前、手ぶらで帰る訳にはいかないし、適当に近くのスーパーにでもよって代わりのものを買ってこようものなら、しばらくは口を聞いてもらえなくなさそうだ。
たったっと外の階段を下る音が大きくなってきて、それと同じように夕里の胸も跳ねる。
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