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父。今泉資裕
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俊輔を学校に送り出した。
今日は制作で俺は家。
明かり取りの下で一日過ごす。
うしろ手にドアを閉じようとして、ふと止める。
初老の男性がずっと俺を見ていた。
俺と目が合うと、一礼した。
上がっていただいた。
俊輔によく似てる…じゃない、俊輔が彼に似てるんだ。
今泉…資裕(もとひろ)さん…
俺に会うのはどんな気分ですか?
妻と二人では…家が広くて…
そういう語り出しですか。
少しがっかりする。
この人は、俊輔が味わってきた居心地の悪さ、全然気づいてなかったんだな…
そう思ったら心が決まり、俺は居住まいを正した。
お話があります。
屋敷で待つ。
馬鹿と男は使いよう。
父親としたら俊さんを、男なんかと暮らさせておけるわけがない。
戻ったらもう待たない。
若いんだもん我慢できる訳ない。
先輩なんてあたしのテクで忘れさせてあげるわ…
高橋の車が車寄せに入ってきた。
高橋が扉を開けに回るより早くおじいちゃん出てきて、玄関へ…
順子(よりこ)! 順子!!
声が怒っている?
あっという間にあたしのいる居間にたどり着いて、いきなり私の髪を掴んだ。
俺の息子に何をした!
目が真剣に怒っている。
ばれたのか。
あの金髪?
意外とおしゃべりだったわけね。
あっちを信じるわけね。
信じるとも。
あの子がこの家を捨ててもいいと思った相手だ。
私も少し話して納得した。
私は間違った親だったが、間違い続けた親にはならん。
それって…
明日夜までに出てってくれ。
どうなったかわからないから俊輔にはまだ言わずにおこう。
でもきっと、進展する。
お父さんは真剣だった。
俺はかれを信じる。
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