アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
手嶋純太
-
急にトイレに行きたくなった。
学年のトイレまでちょいキョリがある…
体育館のが一番近かったので飛び込んだら、手嶋さんがいた。
着替えの途中だった。
にしても何でこの時期学校に…
青八木一はもう美大の課題やってるぞ。
芸術系大学と一般大学一緒にすんじゃねえ。
これだからエリート様は困るんだ。
余計なお世話だ。
あのさ……
手嶋さんが口ごもった。
来る。
あいつ元気? だ。
あいつ、どうしてる?
ちょっと違ったか。
いいんだ。
俺は手嶋さんの連れ合いじゃないんだから。
元気ですよ。
ならよかった。
あいつちょっと遅れ目に花粉症来るから。
アレジールがいちばん効くから……
ふむ。
あとは黙々と着替えしてる。
バスケ部の後輩が顔をのぞかせた。
手嶋さん、始まっちゃいますよ。
お、今いく。
3on3やるんだ。
東戸のつきあいでな。
じゃ、またな。
手嶋さんが今出ていく。
何か言わなきゃ!
手嶋さん!
手嶋純太は振り向かない。
幸せにします。
絶対幸せにします!
振り向かず、手嶋純太は右手を軽く上げ、トイレを出て行った。
最後まで、嫌みだった。
アレジールはめちゃめちゃ効く。
俺は一生あの人にかなわないのかも知れない。
でも…
いいんだ。
俺には俺の愛し方がある。
傍らの、深く眠ってる金の髪を愛しく見つめながら、俺はあらためて誓う。
俺の大事な…
大事な金の髪…
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
14 / 108