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卒業
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校歌と
手ゲートに送られて、
校門出たとこに今泉がいた。
アパートの鍵を渡すと
スッゴくはにかんだ。
無口先輩!
鳴子、駆けてきて、
少し遅れて小野田も来た。
一差はこどもみたいに泣いて、言葉にならない。
行かないでよ
青八木
行かないでよ
しゃくり上げつつ繰り返す。
思わず髪をくしゃっとやった。
ぎゅうって抱きついてきた。
手嶋君ありがとう。
ありがとう。
少し向こうで校長が繰り返し言ってる。
ピエール先生がそのさまニコニコ見てる。
手嶋は懸命にこっちへこようとするけど、人垣に巻かれてこれない。
そうこうするうちに寒咲さんと妹さんもこっちきて、
よお副主将。
おつかれさまでした!
寒咲妹はうっすら泣いている。
青八木!
青八木さん!
古賀が、杉元兄弟が、段竹がくる。
古賀はメリダ引いてた。
まさかそのまま洋南?
古賀が頷く。
なら…
峰が山あたりまで送る。
と、コラテックに跨がる。
もう一度だけ手嶋を見た。
手嶋は俺を見、なんか言ってるけど声は届かない。
今泉に小さく頷いて、俺はコラテックで走り出す。
古賀を送るために。
かれはきっと、部屋で待っててくれる。
わかってる。
これからすべて始まるのだ。
青八木さん!!
青八木!
さんだろ!?
後輩たちの声の乱舞の中、もう一度だけ手嶋を見、俺は古賀と漕ぎ出した。
明日へ。
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