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大切な貴方へ②
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翌日、仕事の空き時間にやや機嫌のいいアリアに声をかけた。
「おつかれアリアちゃん!カレにお花は渡せたかよ?」
「えへ、聞いてくれる?渡せた事は渡せたんだけど...結局ね恥ずかしくて黄色いお花にしたの。」
「黄色?」
「うん、仲良くしてねって意味の。やっぱりあんまりお話したことないのに赤い花はハードル高いかなって。」
恥ずかしそうに頬を触りながら揺れているアリアを見て俺は苦笑いを浮かべていた。
「色で意味が違うわけ?...ちなみに、赤い花の意味、は?」
「赤は情熱的な愛だよね。夫婦とか恋人同士で渡す色だよ。私にはまだ難しい色かな...なんちゃって...」
完全に引きつった顔をしている俺を見てアリアは不思議そうな顔をした。
「どうしたの?」
「いや、別に...。」
どうしたものか。ちゃんとした贈り物として渡した訳じゃないから真に受けてないといいけど、今更訂正に行くのも違う気がするしそれはそれで恥ずかしい。
「カノルは誰かにお花渡したの?」
「ん、ああ一応。」
「やっぱり!ドストミウル様のお部屋に赤いお花が大切そうに飾られてたからそうだと思ったんだよね、あれカノルが渡したやつでしょ?」
なにそれ、嘘。俺起きた時気が付かなかったぞ。せめて隠しておいてくれよあのバカ、後でぶん殴ってやる。
「...俺、仕事に戻るわ。」
「え、質問に答えてないけど!なんで急に真面目なの!?ねえ、カノル!」
今日はくそ真面目に仕事をしよう。誰かに話しかけられても忙しくて話せないくらいに。
あと部屋の花を見つけて隠そう。
...大事にしてくれるって言うならそれでいいけど、なるべく人目につかない所に。
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