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薺side
数少ない俺の友達の颯空なんだけど、こいつがまたなかなかすげぇめんどくさいことに巻き込まれてる。
でも、本人はめんどくさいって1mmも感じてないだろうし、なんならめんどくさいことに巻き込まれてることすら気付いていない。
なんて脳天気な奴なんだろうと逆に感心する。
颯空「それでね〜、昨日ね、涼人がジュース奢ってくれたんだぁ!」
嬉しそうににこにこしながら話をする颯空。
まぁ本人が幸せならあえて言うことでもないだろうと思って俺はただ傍観者になっているわけだけど、こういう話を聞くのが俺じゃなかったら相当なダメージなんだろうな。
薺「へぇー、良かったね」
颯空「うん!涼人、すっごい優しい〜」
最早それは餌付けされてるだけなんじゃないかと思わなくもないが、これも言わないでおいた方がいい気がした。
薺「まぁ、悪そうな感じしねぇもんな」
颯空「涼人に悪いとこなんて何もないもん!」
薺「お前いつか涼人に騙されそう」
俺がボソッと呟くと背後からだいぶテンション高めの声が聞こえてきた。
涼人「騙すなんて人聞き悪くな〜い??俺、そんなことしないしー?ねぇ、颯空?」
颯空「うん!」
涼人「そうだっ、颯空!今日もジュース奢ってあげる〜」
颯空「えっ!そんな何度も申し訳ないよ…」
涼人「大丈夫、大丈夫。何飲みたい?」
颯空「じゃあ…カ〇ピス…」
涼人「おっけー。今日もカ〇ピスね笑 薺くんは何か飲みたいものある?」
薺「俺はいらない」
涼人「そっかー、まぁ薺くんにもいつでも奢ってあげるからね☆」
涼人はそう言い残して、ステップを踏むような歩き方で去っていく。
やっぱりあいつ100%颯空を餌付けするつもりだ。
挙句の果てには颯空に「涼人、いろいろしてくれるから涼人が1番好きぃ♡」くらいは言わせたいのかもしれない。
なんか俺にも奢ろうとしてたけど、もしかしてあいつの中には俺も颯空同類に思われてるのか…?
ちょっと自分より小さいからって颯空と同じにしないでほしい。俺の方が颯空より5cmも大きいんだから。
颯空「やっぱり涼人優しいよねー。あいつ、かっこいいし優しいし、そりゃ女の子にもモテるわけだよ」
薺「…お前はその辺の女みたいになるなよ」
颯空「え?なにが?」
薺「涼人に甘えすぎんなってことだよ」
颯空「そんなのわかってるよ!大丈夫!」
こいつ、わかってる!大丈夫!って言いながらも俺の言っていることの本質、ぜってぇわかってねぇだろ。
まぁいいや。どうなるか見てみるのも面白いかもな。
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