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蒼央side
電気が何故か急に消えて、軽くパニックになっていると、隣のクラスの方から何かゴトッっと物が落ちるような音がした。
涼人「うおぉっ、今度はなに〜〜!?」
蒼央「いいから、お前も早く忘れ物探せって!早く見つけて帰ろっ!」
涼人「お、おう…!」
すると今度は、反対側の隣のクラスからさっきよりも大きい物がドゴンッと落ちたらしき音が聞こえた。
それに、さっきまでは何にも吹いていなかった風まで静かに吹き始めた。
涼人「あ…蒼央…俺もうダメだぁ…怖くて手が動かねぇよぉぉ…」
蒼央「お、お前がさっき変なこと言うからそういう空気になってんだよ!お、オバケなんてな!いるわけないんだからな!」
俺がそう叫ぶと、両隣のクラスでガタガタゴトゴトと、いろいろな音が鳴り出した。
えっ、待って、このタイミングで音がなるって、あんまり信じたくはなかったけどやっぱりそういう霊的な何か…?
涼人「…もしかして、蒼央もやっぱり怖い…?
蒼央「そ、そりゃこの状況になれば少しは怖くなるよ!」
さすがにこの状況に耐えられなくなって素直に涼人に告げると、急に物凄くニヤニヤしだした。
涼人「おーい、お前らもう良いよー。面白いもん聞けたから」
涼人が廊下に出てそう言うと、隣のクラスからひょこっと颯空が出てきた。
颯空「蒼央、怖い〜って言った??」
涼人「言った言った。ちゃんと聞きましたぁ〜」
颯空「わ〜い、作戦大成功〜☆」
いやいやちょっと待て…?作戦ってなに?
まさかこれ、涼人や颯空の仕業…?
蒼央「ねぇ…?今までのやつまさかお前らが計画立てたとか言わないよな?」
涼人「これだけはハッキリ言わせてほしい。俺らは実行しただけだ。裏は他にいる」
颯空「そう!そして実はまだ作戦終わってません!ってことですこーし静かにしててもらっていい?」
蒼央「え?なに?まだ終わってないって何が…?」
廊下でケラケラ話してた2人に問い詰めようとしていたら、颯空が出てきたクラスの反対のクラスの方から誰かの声と、ゴトゴトとまだ物音が聞こえた。
薺「えっ!おい!話と違う!開かないんだけど!?誰か押さつけたりとかしてないよな!?で、出れない!」
よーく見たり聞いたりしてみると、どうやら声の主は薺くんで掃除用具入れの中に入って出れない様子。
何故薺くんが用具入れから出れないのかと言えば、用具入れの前に、あれは……貞子?の格好をした誰かが寄りかかっているから。
ん?よく見ると、貞子の格好している奴、スマホ弄ってない?
蒼央「ねぇ?あの貞子誰?」
颯空「隼太。ちょーっと協力してもらってる」
涼人「今ゲームでイベント中らしいのよー。だからああやっててくれれば何してても良いよ〜って言ったらめちゃくちゃゲームやり込み始めちゃった」
蒼央「ものすごく現代的な貞子だね。っていうかよくあの格好してくれたね笑」
颯空「ゲーム出来るならなんでも良いんだって!優しい奴だよね!」
蒼央「あれは…優しいのか?」
必死に声を上げてる薺くんと、任務通りに働きながらゲームをする隼太くん。
たぶんこの心霊体験的な作戦を立てたのは薺くん自身なんだろうけど、まさか自分もターゲットにされるとは思って無かっただろうなぁ…
蒼央「あの薺くんって中から外見れないの?」
涼人「よく見るとちゃんと外側からガムテープ貼ってあるのわかるでしょ?だから中は完全に真っ暗なの」
蒼央「なるほど…」
さすがにそろそろ可哀想に思えてくる。
蒼央「俺を驚かせようとした張本人は薺くんだね?」
颯空「そー!」
蒼央「それで、たしか2人と…あと隼太も一応薺くんの計画通りに動いてたんだよね?」
涼人「そだよー」
蒼央「じゃあ何で薺くんああなってるの?」
颯空「なんかたまには薺にもいたずらしたくなったからー、薺の計画だとあのまま自分も出てきて終わりなんだけど、俺と涼人で更に作戦立てて、隼太を助っ人ってことで連れ出しておいて実はこっちの作戦の人員だったって話」
蒼央「なーんとまぁ……あのー、そろそろ可哀想じゃないかな?」
涼人「そうだねぇ笑 もうそろそろ良いか」
涼人が用具入れの方に走って寄っていき、隼太に合図をする。
このままだと隼太が開ける流れになりそうだけど、今の隼太は開けてあげるよりも素早く身を引いた方が良い気がする…
俺のそんな心配をよそに隼太くんがあの格好のまま用具入れを開ける。
俺らのクラスしか電気ついてないからこのクラスは若干の光漏れ以外、光の要素がない中でやっと開いた〜と思ったら貞子の隼太が目の前にいるんだもん、絶対怖いはず。
見事に予想通りで貞子に扮した隼太を見るや否やこれまた絶叫。
薺くんも意外と颯空みたいに女々しいとこあるんだねぇ。まぁ叫び声はがっつり男の子って感じだけど。
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