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慌ただしい一日が終わりを迎えようとしている。書類の整理をしながら今日の事を思い出す。
椿と名乗った一課の刑事…すごくいい香りがした。香りを思い出すとほとんど見られなかった顔が思い出されてきた。
髪は深い漆で黒烏の濡れ羽のように艶があった。その髪をオールバックにしっかりと撫で付けていた。吸い込まれそうな黒の瞳。細く筋の通った高い鼻。酷薄な印象を受けるような薄い唇は柔和な笑みで優しいものへと変わっていた。
香りに気を取られていたけれど綺麗な人だった。
ドクン…また胸が高鳴る。今まで感じた事の無い胸の高揚にどうしていいかわからない。
もしかして…一目惚れ?
俺はΩだという事を恥ずかしいと思った事は無いつもりだが、どこかで引け目を感じている。それは恋愛に顕著に表れている。
この歳になって一度も恋人がいた事はない。ましてや番なんて…夢のような話で…
でも、もう一度逢えたらな…
そんな事を考えながら書類の山に突っ伏しているとチャイムの音が鳴った。
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